冬の青森を満喫するならこの列車!暖房はダルマストーブ、そして焼きたてのスルメが名物。津軽鉄道を走る「ストーブ列車」に乗ってきました。
80年以上の歴史を誇るストーブ列車
津軽鉄道は津軽五所川原〜津軽中里間を走る約20kmの路線。ストーブ列車の始まりは1936(昭和11)年。なんと80年以上前から走っているのです!現在は例年12月1日~3月31日の冬期間に、1日3往復が運行されています。
今回は「津軽中里駅」からJR五能線と接続する「津軽五所川原駅」まで、ストーブ列車に乗車したいと思います。
津軽五所川原から来たストーブ列車が到着。この日はディーゼルカー2両、ストーブ列車2両の計4両編成の運転。
ディーゼルカーが先頭じゃないと走ることができないので、乗客が降りたら早速車両の入換がスタート。
津軽五所川原方にディーゼルカー2両を連結し、発車の準備が完了。
ストーブ列車は準急列車に連結する形で運行されるので、ディーゼルカーにはストーブ列車に乗らない一般の乗客が乗車します。
昔懐かしい客車とダルマストーブ
窓口で購入した乗車券とストーブ列車券。どちらも今ではめずらしい硬券。ストーブ列車券は2種類あり、今回は応援の気持ちを込めて、700円のうち200円が津軽鉄道に寄付される『寄付金付きストーブ列車券』を購入。
では早速、屋根からもくもくと煙がのぼるストーブ列車の車内へ。
おぉー!ノスタルジック!
床も、壁も、座席も木で作られています。ストーブ列車に使われている客車は1948年~1955年に製造されたのだそう。すでに60年以上経っているのです。
網棚が本当に"網"でできています!
そしてこちらがストーブ!だるまのカタチをした懐かしいダルマストーブ。石油ではなく、昔ながらの石炭を焚べて暖めます。
時々車掌さんがやってきては、蓋を開けて石炭を投下。
赤々と燃ゆる炎を見てるだけで、なんだかポカポカしてきますね。
炙りたてのスルメ
雪原の中を走るストーブ列車。
車内販売のカートが回ってきました。
ストーブ列車の名物、スルメ。車内販売でスルメを購入すれば、アテンダントさんがダルマストーブの上でスルメを炙ってくれるのです。
「お写真どうぞー」とアテンダントさん。
写真を撮り終わると、軍手をはめた手でギューッ!熱くないの!?
スルメの香ばしい香りがただよう車内。引きちぎられて脚だけが残ったスルメ。食べやすいようにアテンダントさんが細かく裂いてくれています。
炙りたてのスルメ!うめー!スルメを肴に日本酒なんかキュッといったら最高なんでしょうね。
車内の気温は25℃。ポカポカに加えて列車の揺れが心地よくて、ついうとうと…
香取慎吾さんがペイントした車両を横目に、ストーブ列車はひた走ります。
3月ともなればちょっと雪が寂しい。やはりストーブ列車には極寒が似合いますね。
田んぼの中に白鳥を見つけました。すでにほとんどが北へと渡って行ったのだそう。この白鳥たちも飛去すれば、東北にも春が訪れが近づきます。
ストーブ列車は終点「津軽五所川原駅」に到着。
例年なら多くの団体客で賑わうストーブ列車ですが、新型コロナウイルスの影響でこの日の乗客は数える程。
来年度はまた、多くの人で賑わうストーブ列車になる事を祈ります。