不知火湾から東シナ海へ、移り変わる海岸線を眺めながらいただくランチコース。肥薩おれんじ鉄道の「おれんじ食堂 2便 スペシャルランチ」に乗ってきました!
*2020年11月時点の情報を基に作成しています
- 水戸岡氏デザイン!海をイメージしたブルーのボディ
- 不知火海の海岸線を走る
- 「重盤岩」とその断崖絶壁を登るモノレール
- 地元産の食材にこだわったスペシャルランチコース
- 不知火海から東シナ海へ、移りゆく海岸線
- 川内駅近くで使えるお得なチケット
- 関連リンク
水戸岡氏デザイン!海をイメージしたブルーのボディ
旅のスタートは熊本県の「新八代駅」。博多から新幹線で約1時間。まずは改札口の前で受付を済ませます。
受付で頂いたのは乗車記念証。
そして「グルメクーポン」。記載の駅で名物のおみやげと交換できるんだって。楽しみ!
受付を済ませてホームへ。しばらくすると「おれんじ食堂」が入線してきました!
2両編成の車両は水戸岡鋭治氏によるデザイン。濃いブルーのボディは、海の景観を眺めながら走る「おれんじ食堂」をイメージにぴったりです。
食事付きプランの乗客が利用する、1号車の「ダイニングカー」に乗車。程よく座席は埋まり、賑わいつつもゆったり旅が楽しめる雰囲気です。
乗車したのは11月の後半。車内はクリスマス仕様に飾り付けされていました。
車両や車内の様子など、詳しくはこちらの記事で紹介しています!
不知火海の海岸線を走る
新八代を発車した列車は、数分で「八代駅」に停車。ここで、向かいのホームに「くまモンラッピング列車」を発見!
19両ある車両のうち、「くまモン列車」はたった3両。出会えたのはラッキー!
八代を発車するとすぐに肥薩線と別れ、球磨川を渡ります。
球磨川沿いを走る肥薩線と「くま川鉄道」は、肥薩おれんじ鉄道と同じく2019年の豪雨災害で壊滅的な被害を受け、いまも復旧の見込みすら経っていません。1日でも早く、また列車が走る日が来るのを願ってやみません。
「おれんじ食堂 2便」の乗車時間は約4時間と長丁場。なので、食事の提供は12時39分の「水俣駅」発車後となり、約1時間半おあずけ(笑)
ただし、ソフトドリンクは飲み放題。オレンジジュースとサブレを頂きながら、まずはおれんじ鉄道自慢の車窓を楽しむとします。
「日奈久温泉駅」では、くまモン駅長がお出迎え。
駅を発車後、車内では名物の「日奈久ちくわ」が提供されました。できたてなのかな?温かくてびっくり!美味しい!
さぁ、いよいよ「おれんじ食堂」は海岸線へ!穏やかなさざなみの不知火海。対岸にうっすら見えるのは雲仙岳。雲仙岳まで望めるのはめずらしいんだって。やった!
海のすぐそばを走る列車。手を伸ばせば届きそう。
さて列車はトンネルを抜けると、2019年の豪雨災害で被害を受けた区間へ。トンネルの出口が土砂崩れで埋まるなど、かなり被害は大きかったのだそう。
「重盤岩」とその断崖絶壁を登るモノレール
列車は「佐敷駅」に到着。
ここでは、佐敷駅がある芦北町にある「お茶のカジハラ」の和紅茶パックを頂きました。
旅の序盤からおみやげを頂いたりと、コース料理が始まる前から気分が高まりますね。
車窓に見えてきたのは、空に向かって突き出すように角ばった奇岩。これは津奈木町のシンボル「重盤岩(ちょうはんがん)」。
断崖絶壁を這うように走るレール。これは、重盤岩の側まで行くことができるモノレール。頂上からは不知火海を一望でき圧巻の景色なのだそう。ただしスリルは満点。
列車は「水俣駅」に到着。
水俣駅の駅舎は、おれんじ食堂もデザインした水戸岡鋭治氏の手でリニューアル。水俣をイメージさせるロゴマークが、おしゃれで印象的でした。
受付の時に頂いたグルメクーポンで"水俣名物"と引換。何がもらえるのかな!?
頂いたのは、水俣にある「鬼塚日昭堂」のお菓子の詰め合わせ。
中でも「かりんとう饅頭」は、外はカリカリ中はしっとりした餡子がたっぷり。美味でした!
地元産の食材にこだわったスペシャルランチコース
水俣を発車し、いよいよスペシャルランチコースがスタート。お料理は水俣市にあるレストラン「鶴の屋」がプロデュース。
[水俣有機野菜の収穫体験2020秋]
一品目からインパクトのあるお料理。ドーム型の器の中は、まるで有機野菜の畑のよう。
土のように見える正体は、オリーブやパン粉などを炒って土に見立てたドレッシング。液体のドレッシングに比べて味が強くないので、有機野菜の美味しさを引き立てています。
[長島産鮮魚のカルパッチョ 水俣甘夏ドレッシング]
鹿児島県・長島産の"ハタ"という魚。初めて"ハタ"を頂きましたが、歯ごたえがあってなかなか美味。これに甘夏のドレッシングや地元産のレモンを合わせることで、さっぱり爽やかな印象に。
[長島岩塚水産 鮃のフリカッセ]
フリカッセとは、フランスの家庭料理で"白い煮込み"。包み紙の中から現れたのは、鮃(ひらめ)と茸や野菜など。茸の旨みと鮃の出汁が染み込んだ濃厚なクリームソースは絶品!添えられたバケットにつけながら、最後まで残さず頂いちゃいました。
[八代産 梨のお口直し]
熊本県は、フルーツの生産量が九州で1番なのだそう。今が旬である"梨"を、まるでそのまま食べているかのような濃厚なスープで、お口の中はさっぱり。
[阿蘇の放牧牛 赤牛のグリエ COCORO味噌ソース]
いよいよメインディッシュ!赤牛は、自然豊かな阿蘇でのびのびと育った放牧牛。列車内で火を使うことは不可能なので、代わりに真空調理しているのだそう。これが非常に柔らかくてジューシー。火で焼くより肉が硬くならなくて、かえって良いかも。
ソースには、長島で作られた"COCORO味噌"という麦味噌を使用。優しい甘さが広がり、肉の旨みや脂の甘みを引き立てます。
先ほどまで使ったナプキンが、花の形に折られていました。テーブルが華やかに彩られたところで、最後のデザート。
[2種のフルーツテリーヌ]
最後は梨、柿、ぶどうなど季節のフルーツをテリーヌで。異なるフルーツをテリーヌにするのは難しかったそうで、繰り返し試行錯誤して完成。フルーツの順番まで計算されているのだそう。
最後までこだわりのお料理は、どれも美味しくて大満足!
料理が出るタイミングも絶妙でした。食べ終わる頃に駅に到着し散策。列車に戻ると次の料理がセッティング。スムーズな時間配分も念密に計算されているのだと思います。
不知火海から東シナ海へ、移りゆく海岸線
お料理を頂いている間に、その名も「境川」という県境を流れる小さな川を渡り、熊本県から鹿児島県へ。
鹿児島県に入り最初の出水市は、日本一のツル飛来地。車窓からも、田んぼにとまるツルの姿が見て取れました。
「出水駅」にはなんとツルの飛来数を知らせる看板が。11/21現在でなんと15390羽が飛来したのだそう。すごい!
そんな「出水駅」には、肥薩おれんじ鉄道の車両基地があります。
車庫の奥には「くまモンラッピング列車」。くまモン列車が3編成並んだ姿も見てみたいものです。
「阿久根駅」。こちらも水戸岡鋭治氏の手でリニューアル。
阿久根駅前に停められたブルートレイン。無事2両とも香川県へ移設される事が決まりました。輸送は遅れているように見受けられますが、ブルートレインで宿泊できる日が楽しみです。
列車は再び海沿いへ。不知火海から東シナ海へと変わりました。
海の様子は移り変わり、不知火海より白波が立っている印象。
線路の真下は海。まるで海の上を走っているよう。
岩がまるで人の形に見える"人形岩"を過ぎると、やがて列車は「薩摩高城駅」に到着。
カーブの途中にある「薩摩高城駅」。幹線の名残りかカントが大きいので、こんなに車両が傾いた形で停車。列車とホームの間にはブリッジを渡してくれます。
受付でもらったクーポン。最後は薩摩高城の名物を頂きます。何かな?何かな?
頂いたのは、なんと"あおさ"と"じゃこ"のサブレ。海の幸を焼菓子にするとはなかなか斬新ですが、美味しそう!
「薩摩高城駅」では駅からしか道がない、肥薩おれんじ鉄道のプライベートビーチへ散策。
ここから見る東シナ海は絶景です!
川内駅近くで使えるお得なチケット
約4時間の長丁場な列車旅でしたが、散策やおみやげなどちょっとしたイベントが用意されているので、最後まで楽しい時間を過ごすことができました。
アテンダントさんが歌う鹿児島の童謡「茶わん虫の歌」を聞きながら、列車は川内川を渡り終点「川内駅」に到着となります。
おれんじ食堂の受付時に頂いた「薩摩川内駅待チケット」。駅から徒歩5分圏内のお店で使えるチケットで、おみやげの購入などに利用できます。
私は、駅近くにある「川内温泉センター」の入浴券で使いました。このチケットで、入浴料・貸しタオル、さらに風呂上がりにドリンク一杯まで貰えちゃう。これは使わないと損!
ひとっ風呂浴びたあとの牛乳は最高です!
「おれんじ食堂」は今回乗車した2便のほか、朝の1便、サンセットタイムを走る3便があります。(冬ダイヤ)。
帰りはサンセットタイムを走る列車に乗車。
夕日に染まる空と海。これもまた絶景です。
関連リンク
関連記事
関連書籍
鉄道イベント情報
天竜浜名湖鉄道 TH3501勇退記念グッズ 販売(2021年5月23日) - 鉄道コム
相鉄 12000系デザインランドセル 販売(2021年4月27日~) - 鉄道コム
伊豆急行 黒船電車運転席VR映像 販売(2021年5月11日~) - 鉄道コム
富士急行 恋オオカミグランピング タイアップ電車 運転(2021年4月26日~) - 鉄道コム
岳南電車 ナポリン勝男クン号 運転(2021年5月1日~) - 鉄道コム