マサテツ〜食べ鉄旅日記〜

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JR西日本の「あめつち」|山陰地方の自然と神話を楽しむ観光列車

鉄道コム

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2023年に運行開始5周年を迎えた、鳥取県と島根県の山陰本線を走る観光列車。JR西日本の「あめつち」に乗ってきました!

*2023年6月の情報を基に作成しています

山陰の工芸品が散りばめられた「あめつち」

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旅のスタートは「鳥取駅」から。
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出雲市行き「あめつち」は9時に「鳥取駅」を発車します。

「あめつち」が入線してきました!

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「あめつち」の列車名の由来は、日本最古の歴史書である古事記の書き出し「天地の初発のとき」から。数々の神話が生まれた山陰地方にちなんだ神秘的なネーミングです。
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ボディーカラーは、山陰の美しい空や海を表現した紺碧色。下部に描かれた絵は、スタジオジブリ作品にも多く参画している島根県出身のアニメーション美術監督、吉田昇氏の書き下ろし。山陰の美しい山並みの他に、たたら製鉄にちなみ日本刀の刃文も表現しているのだそう。
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正面と頭上そして側面にきらめくエンブレム。こちらは、島根県出雲市にある吉川製作所が製作したもの。

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「天つ神々・太陽」「七つの八雲」「金鵄(日本神話に登場する金色のトンビ)」「山」「海」「白兎」「ワニ(サメ)」が描かれています。神話の地をゆく観光列車らしいですね!
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号車表示にもかわいい絵が!では車内へ。
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おぉー!白木の色合いが明るくておしゃれ!
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2名、4名のテーブル席。大きなテーブルがあってゆったり過ごせそう。

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山側の席は、車窓が見やすいように1段高くなっています。

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窓に向かって並ぶカウンター席もあって、1人旅でも安心!
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テーブルに嵌め込まれているタイルは、石州瓦。赤褐色の色合いが印象的で、赤い屋根の町並みや集落が山陰地方ではあちこちで見られます。
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天井の照明に使われているのは、鳥取県東部で生産されている因州和紙。1号車と2号車で色が違っていて、トンネルに入るとより美しく天井を彩ります。
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壁に飾られているのは隠岐の黒松、智頭杉で、神話にまつわる絵柄が彫り込まれています。
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洗面台の手洗い鉢は、鳥取県岩美郡にある岩井窯の山本教行氏によるもの。岩井窯らしい大胆かつ美しい模様が特徴です。
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物販カウンター前に飾られているのは、豪華絢爛な神楽衣装。このように車内には山陰の伝統工芸品が其処彼処にあしらわれていて、まるで山陰地方の美術館!

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山陰地方の歴史や車内の紹介が載った「あめつち手帖」。あめつちが走る山陰本線の車窓や沿線を紹介する「車窓手帖」。各車両のラックに置かれています。
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特に「車窓手帖」には、日本海や大山が望めるポイント、車窓から見える建物、そしてあめつちの豆知識なんかも書かれていて、あめつちの旅には欠かせないものでした!

神話にまつわるストーリーが書かれたおみくじ

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「鳥取駅」を発車してしばらくすると車内改札。切符に押されたのは「あめつち」専用のスタンパー。
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続いて車掌さんが持ってきたのは、おみくじが入ったボックス。
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何が出るかな!
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宣託の神様・コトシロヌシにちなんで『目先にとらわれず長期的な視点で物事を判断すると良い』とのことでした。山陰地方の神話にまつわるストーリーが書かれた一風変わったおみくじは、旅の記念になりますね!
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おみくじの下にはスタンプが押せるスペースがあります。物販カウンター前に置かれたスタンプを押してみては!

大江ノ郷自然牧場の焼菓子

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2号車にある物販カウンター。
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アルコール、ソフトドリンク、スイーツ、そして「あめつち」オリジナルのお土産品などが販売されています。
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物販カウンターで購入したのは、大江ノ郷自然牧場の焼菓子詰め合わせセット。鳥取県八頭町にある大江ノ郷自然牧場は、平飼いで育てた天美卵や天美卵を使ったスイーツなど、「農」と「食」を楽しむことができる複合施設。
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中に入っていたのは、天美卵を使用したバウムクーヘン。国産小麦に大山バターを使用したフィナンシェ。鳥取県産の大豆を使ったブールドネージュ。どれも素材にこだわった焼き菓子ばかり!
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「あめつち」のオリジナルカップに入ったコーヒーとともに頂きました!

山陰の食材が詰まった「あめつち御膳」

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「倉吉駅」を発車し、車内では事前予約制の食事の準備がスタート。出雲市行きの「あめつち」で頂けるのは、鳥取駅の駅弁などを手がける「アベ鳥取堂」の「あめつち御膳」。では、オープン!
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おぉー!美味しそう!
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中央にあるのが、昭和27年から販売されている名物駅弁「元祖かに寿し」。かにの身がたっぷり!甘酸っぱい味わいが口の中に広がります。
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鳥取県産のむね肉は3日間かけて熟成し南蛮漬けに。しっとり柔らかくて、鶏の旨みがとっても濃厚!
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鳥取県産の牛肉は、地元の醤油で時雨風に煮付け。
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鳥取県の県魚、あごは梅しそで巻いてフライに。鳥取名物のあごちくわ・とうふちくわ。するめいかを麹で漬けたするめの麹漬けは、鳥取の名産品だそう。
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鳥取県産のハタハタの握り寿し。酢でしめて炙り、香ばしい香りがいいアクセント。

鳥取県の特産品が盛りだくさんのあめつち御膳。「あめつち」に乗車する際はぜひ予約する事をおすすめします!

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日本海に沿って走る山陰本線ですが「あめつち」が走る鳥取〜出雲市間は海が見える区間は少なめ。「青谷駅」を過ぎたあたりから、遠くにチラリと見えてきます。
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変わりに車窓に広がるのは風車。日本海に吹く風を利用した風力発電所が、鳥取県内にはいくつかあるそう。
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山側には中国地方の最高峰である大山が望めるはずですが、この日は残念ながら雲の向こう。帰りに見られる事を期待しましょう。
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列車は「松江駅」に到着。ここで11分停車します。
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やって来たのは特急「やくも」。国鉄時代の特急車両が走るのは日本で唯一。引退が発表されるとともに、かつての国鉄色やスーパーやくも色が復刻されて、多くの鉄道ファンの注目を集めています。
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「松江駅」を発車すると、車窓に広がるのは宍道湖。全国で7番目に大きい湖で、わずかに塩分を含む汽水湖のため魚類が豊富。しじみや白魚などは"宍道湖七珍"として有名です。

宍道湖が望める絶景スポットではゆっくり徐行。車内には「あめつち」のテーマソングが流れて、気分を盛り上げてくれます!
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のどかな景色の中を走る「あめつち」。
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「あめつち」は、斐伊川の鉄橋で再び徐行。ヤマタノオロチ伝説のオロチの正体とも言われる斐伊川の絶景が広がります。
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鳥取から3時間32分。「あめつち」は終点「出雲市駅」に到着。

お酒に合うおつまみが詰まったお弁当「山陰の酒と肴」

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復路も「あめつち」に乗ります!鳥取行き「あめつち」は13時44分発です。
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発車後しばらくすると、事前予約制の食事が運ばれてきました。復路の食事は「松江駅」の駅弁を手がける「一文字家」の「山陰の酒と肴」です。「一文字家」は明治34年創業の老舗駅弁店です。では、オープン!
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おぉー!お酒に合いそうなおかずがたっぷり!
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おろしソースがかかった島根牛。島根県の県魚である"あご"の磯辺揚げ。玉子焼きには松江らしくしじみ入り。ポリポリと香ばしい、出雲そばの素揚げ。
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奥出雲にある井上醤油店の天然醸造味噌で和えた、大山鶏。しっとり柔らかく、味噌の風味ともマッチ!
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野菜の炊き合わせが美味しかった!素材の味を活かしつつ上品なお出汁の風味もあって、さすが老舗の味!
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「山陰の酒と肴」には、出雲國の銘酒「豊の秋純米吟醸花かんざし」または松江の地ビール「ビアへるん」が付きます。スッキリ喉越しの良いピルスナー。うまい!

松江の老舗菓子司の和菓子詰合せ

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鳥取行き「あめつち」ではもう一品、事前予約制でスイーツがいただけます。松江にある「御菓子司 彩雲堂」の「松江の和菓子詰め合わせ」。
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松江市は古くから茶の湯文化が残っていて、お茶と相性の良い和菓子を取り扱うお店が多くあるのだそう。
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こちらの生菓子は、その名も「あめつち」。イザナギ・イザナミがアメノヌボコで大地を創造した神話を元に創作した、あめつちのオリジナル菓子。
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宍道湖が夕日に染まり、城ヶ島をシルエットに溶けてゆく様を写した羊羹。ほんのりほうじ茶の香りが広がります。
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松江を代表する銘菓である「若草」は、奥出雲産のもち米を石臼で挽いて作られた、求肥製の和菓子。
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和菓子とともに頂くのは、松江にある老舗お茶屋「中村茶舗」の煎茶。列車の中で本格的な和菓子がいただけるなんて、素敵です!

山陰の自然を車窓に見ながらラストスパート

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列車は山陰路をひた走ります。往路では見えなかった大山が、姿を表していました!きれい!
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物販カウンターで購入したどら焼き。なんと「あめつち」の焼印が入っています!餡子の他に栗も入っていて豪華!
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車窓には日本海。傾き始めた太陽がキラキラと海を輝かせていました。終点の鳥取はまもなくです。
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出雲市から3時間52分。列車は終点の「鳥取駅」に到着。

山陰の美術館のような、工芸品にあふれた車内。山陰の自然豊かな車窓。そして山陰の食材をふんだんに使ったお食事。山陰の魅力がめいいっぱい詰まった列車でした!皆さんもぜひ「あめつち」に乗車してみては!

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あめつち公式サイト

www.jr-odekake.net