富山県の「あいの風とやま鉄道」を走る「一万三千尺物語」。今回は、2023年6月にリニューアルした「2号越中懐石コース」に乗車。里山の幸をふんだんに使った懐石料理と、立山連峰や富山湾の車窓を楽しんできました!
*2023年6月の情報を基に作成しています
国鉄時代の貴重な車両を改造
旅のスタートは「富山駅」から。
「一万三千尺物語」は、ランチタイムに運行される「1号富山湾鮨コース」と、ディナータイムに運行される「2号越中懐石コース」の2列車が運行されています。今回乗車する「2号越中懐石コース」は富山を16時34分に発車します。
汽笛一声!富山駅に入線する一万三千尺物語。 pic.twitter.com/iuLBu2g3r0
— マサテツ (@masatetsudo) 2023年6月7日
16時10分。汽笛一声!「一万三千尺物語」が入線してきました!
「一万三千尺物語」は国鉄時代に製造された「413系」という電車を改造。今も現役で活躍する「413系」は「えちごトキメキ鉄道」の「観光急行」のみで、とっても貴重な車両なのです!
"一万三千尺"とは、メートル法で約4000m。3000m級の山々が連なる立山連峰と、深海約1000mの富山湾。その高低差約4000mを表したのが「一万三千尺物語」のネーミングの由来です。
床、テーブル、そして天井まで、富山県産の「ひみ里山杉」がふんだんに使われた車内。温かみがあって素敵!
今回は、広い窓が目の前にあるカウンター席に乗車します。
席に座っていたのは、なんと乗車した前日にデビューしたばかりの「あいの助」。「あいの風とやま鉄道」のマスコットキャラクターです。
一万三千尺物語の車両の詳しい記事はこちら!
それでは自席へ。
ひみ里山杉で作られたコースター。杉の木のいい香りがする!そして、富山ガラス工房で作られた美しい箸置き。これらはなんとお土産に持ち帰ることができるとのこと!
富山の里山の幸が楽しめる越中懐石
列車は「富山駅」を発車。しばらくすると、車両基地から社員の皆さんがお見送り!
車内ではウェルカムドリンクが配られました。黒部市にある「皇国晴酒造」の「幻の龍 柚子スパークリング」。口の中に広がる、爽やかなゆずの香り。あまり日本酒は飲まない私ですが、スパークリング清酒は飲みやすくて美味しかった!
2杯目は、黒部市の地ビール「宇奈月ビール」のケルシュを。キレがあってスッキリ!ぐびぐび飲めちゃいますね。
「2号越中懐石コース」のお料理は、富山駅近くにある、1971年創業の割烹料理店「五万石」。まずは温物から。香ばしい香り広がる落花生豆腐と湯葉の蒸し物。
メインのお重が運ばれてきました!美味しそう!
美しく盛り付けされた八寸。富山湾で獲れたホタルイカの酢味噌和え。立山町で飼育されたブランド豚"立山ポーク"の八幡巻き。サーモンの西京焼き、海老の旨煮、ホタテの燻製、蟹真丈など。
海老と蟹を贅沢に使ったグラタン。
富山の郷土料理である、かじきの昆布〆。昆布で巻くことで魚の中にある余分な水分を追い出し、昆布のうまみを吸わせます。そうする事で、そのまま食べるより格段に美味しくなるのです。
煮物は豚の角煮。柔らかく煮込まれた豚肉はホロホロ。お野菜も上品な味。
こちらも富山の郷土料理の、ます寿し。桜鱒を酢で味付けした押し寿司で、駅弁でも有名です。
富山湾の海の幸と、立山の名水で育まれた山の幸が楽しめる越中懐石料理。味はもちろん見た目も美しくて、富山の幸を堪能できました!
立山連峰と富山湾を一望
富山平野を走る一万三千尺物語。青空が広がりますが、立山連峰は残念ながら雲の中。
立山連峰は見えませんでしたが、ブラインドを下ろすと、なんと立山連峰のシルエットが!アテンダントさんが教えてくれました。
列車は、早月川の橋梁で一旦停車。ここからは富山湾と立山連峰の両方を望むことができます。
水深1000mの富山湾と標高3000m立山連峰の高低差4000mを表した「一万三千尺物語」の列車名の由来が、ここで一望できるのです。
川のほとりでは地元の方が手を振って下さってました!
富山から33分で「黒部駅」に到着。
14分停車時間があり、駅の外へ降りることもできます。
ホームには、かつての特急列車の案内が残っていました!「白山」とか「雷鳥」とか、懐かしいですね!
列車はここで折り返し、再び富山方面へ。
車内ではデザートが提供。富山市にある「引網香月堂」の上生菓子。「一万三千尺物語」のオリジナルデザインなのだそう。黒部市に事業所がある、ファスナーやサッシで有名な「YKK」が運営するコーヒー農園のコーヒーとともに頂きました。
高岡駅で出会えるドラえもんトラム
「富山駅」を通過するというレア体験をし、列車は庄川を渡り高岡市へ。
「高岡駅」に到着。ここでは19分停車します。到着の5分後に万葉線の「ドラえもんトラム」が発車するとの事で、小走りで改札を抜けて万葉線のりばへ。
いた!ドラえもんトラム!
高岡市と射水市を結ぶ万葉線を走る「ドラえもんトラム」。ドラえもんを生み出した藤子・F・不二雄氏は高岡市出身で、ドラえもんの生誕100年前(2012年9月3日)を記念して登場したのだそう。
万葉線のりばの待合室にあるのは、ドラえもんポスト。高岡市の伝統産業である「高岡銅器」で制作されました。ドラえもんポストに投函すると、ドラえもんの記念消印が押されるのだとか。
列車は「高岡駅」を発車。楽しい旅はあっという間で、富山まではあと20分。最後はおみやげに、しろえびと富山米で作られた「しろえび紀行」をいただきました。
富山から2時間20分。「一万三千尺物語」は再び「富山駅」に戻り、旅は終了。
立山連峰がくっきり望める日はなかなかないそうですが、特に冬は空気が澄んでいてきれいな立山連峰が望めることがあるそう。お料理は美味しいだけでなく見た目も美しくて、列車の中とは思えない本格的な懐石料理でした。
1便では車内で握った富山湾鮨が頂くことができ、こちらもおすすめ!どっちに乗るか迷っちゃいますね。
皆さんもぜひ「一万三千尺物語」に乗車してみては!
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