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【モ755 モ514が保存】名鉄旧谷汲駅へ行ってきました!

鉄道コム

2001年に廃止された名鉄谷汲線の終点「谷汲駅」では、19年経った今でも駅舎・ホーム、そして当時活躍していた車両が当時のまま保存されています。
 
 

樽見鉄道とバスを乗り継いで旧谷汲駅へ

旧谷汲駅へのアクセスは、樽見鉄道「谷汲口駅」または養老鉄道「揖斐駅」から揖斐川町コミュニティバスを利用します。
ちなみに岐阜市内から直通するバスは、毎月18日の谷汲山華厳寺本尊の命日に運行される1往復のみ。

今回は大垣から樽見鉄道に乗車し、谷汲口からバスで旧谷汲駅を目指します。

大垣から約40分で「谷汲口駅」に到着。

ここからは「揖斐川町コミュニティバス」に乗車。

谷汲口から谷汲山まで走る「揖斐川町ふれあいバス」は、平日・土日祝日ともに4往復運行されています。ただし平日は特定運行日のみなので注意が必要。運賃は平日300円、土日祝日は無料です。
 

廃止当時のままの駅舎

終点のひとつ手前「昆虫館前」で下車すると、旧谷汲駅は目の前。

谷汲駅は1996年に「昆虫館」を併設した新しい駅舎が完成。しかし、そのわずか5年後の2001年に谷汲線は廃止。その後も昆虫館と駅舎はそのまま残され、ホームには「モ514」「モ755」の2両がボランティア団体の「庭箱鉄道」によって保存されています。
 

駅舎の中も当時のまま。「名鉄谷汲駅」の看板も残されていて、今にも列車が発車していきそう。

出札窓口の上。運賃表がそのまま。

窓口に置かれたモニターに"いま風"の発車標が再現されていて、あまりにリアルでびっくり。

改札口の前には本線の座席指定特急の連絡表。先ほどの発車標とは違い、こちらは手書きで歴史を感じます。
当時は、谷汲線から岐阜市内線を経由し新岐阜・岐阜駅前までの直通列車が運転されていました。

壁にはスタフを入れるキャリア。谷汲線は最後までスタフ閉塞で運行されていました。

輝かしい歴史をもつ「モ755」

改札を通り中へ。

廃止まで活躍した車両が、1面2線の両側に留置されています。

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駅舎に向かって左側は「モ755」。
モ750形は、現在の名古屋鉄道の前身鉄道会社である旧・名古屋鉄道が、1927(昭和2)年にデセホ750形として製造した形式。751-760の10両が製造されました。
その後、現・名古屋鉄道へ移行した際にモ750形へと形式名が変更。名岐線(現在の名古屋本線の一部)・犬山線・瀬戸線で活躍したのち揖斐線系統へ転属。2001年まで最長70年以上に渡って運用されました。
ちなみにこの「モ755」は高山線の下呂まで走ったという輝かしい歴史を持っているのです。1932(昭和7)年に鉄道省高山線(現在の高山本線)の下呂延伸とともに運行開始された柳橋~鵜沼〜下呂間の直通特急列車に充当されたのが、このモ755。高山線内は鉄道省の客車と連結し運転したのだそう。これはのちの「北アルプス」の前身となりました。

ヘッドライトも点灯されて凛々しい姿。
駅構内への入場は常時可能。土日祝日の谷汲昆虫館開館時間は車内が開放され、さらに毎月第三日曜日にはヘッドライト・テールライトが点灯されます。

「モ755」の車内へ。

座席はロングシート。名鉄でも見慣れたシート生地。

これも名鉄電車で見かけるサインですね。

運賃箱。

床をはじめ、車内の至るところに木を使われています。

運転席にはマスコン、ブレーキ、圧力計だけでとってもシンプル。

ワンマン運転用の機械かな?

ドアを開け閉めするスイッチ。

運転席から眺めた線路。

錆や痛みもなく非常に美しい保存状態。今にも走り出しそうです。

大正生まれの長寿車両「モ514」

駅舎に向かって右側には「モ514」。こちらの車両はなんと大正生まれ。
モ510形は、名鉄の前身会社の一つである美濃電気鉄道が1926(大正15)年にゼミボ510形として製造した車両。美濃電気鉄道が合併され名古屋鉄道となった際に形式名がモ510形と変更。岐阜市内線と揖斐線の直通急行に運用され、その後2005年3月末の600V区間全廃時まで約80年もの間活躍しました。

戸袋の窓が「丸窓」なのが特徴的で、晩年は「丸窓電車」と呼ばれていたのだそう。

正面の形状は半流線形で、これは当時のアメリカの電車の影響を受けて大正時代に流行したスタイル。
車内見学はできませんでしたが、1列+2列が中央で逆転する転換クロスシートになっていて、岐阜市内線と揖斐線の直通急行に相応しい車内です。

一時期はスカーレット一色に塗られたこともありましたが、岐阜市内線と揖斐線の直通急行カラーであるスカーレットと白のツートンカラーが、とっても似合っています。

この空間だけ、時間が止まっているよう。
現役さながらの姿で大切に保存されている車両に、とても嬉しく思いました。
 

地元の人に親しまれている「たにぐみさん」

谷汲線の前身である谷汲鉄道は、地元の名刹である谷汲山華厳寺の巡礼客の交通の便の確保を目的として1926(大正15)年に開業。せっかくなので、谷汲山華厳寺まで少し足を伸ばしてみました。

谷汲駅から谷汲山華厳寺までは徒歩で20分。駅の少し先から参道が伸び、道路には土産物店や飲食店が並ぶなどして賑やか。

桜や紅葉の名所としても知られる谷汲山。

地元の人には「たにぐみさん」の愛称で親しまれている「谷汲山華厳寺(たにぐみさんけごんじ)」は798年(延暦十七年)に創建。日本最古の観音霊場「西国三十三所観音霊場」の第三十三番札所で結願・満願のお寺として知られています。

特に、毎月18日の「本尊の命日」や2月18日の豊年祈願祭には多くの人で賑わうのだそう。旧谷汲線も18日は列車が増発されていたのだとか。

谷汲山のバス停からは「谷汲口駅行き」のほかに「揖斐駅行き」もあり、養老鉄道へ乗り継ぐ事もできます。