香川県を走る「ことでん」こと「高松琴平電鉄」では、大正生まれ・昭和初期生まれの電車が今なお現役で走っています。
しかし残念ながら、明日(2020年9月20日・21日)からの特別運行をもって「23号」と「500号」は引退となります。
今回は、2019年5月のゴールデンウィークに開催された「レトロ電車撮影会」と「レトロ電車特別運行」の様子をご紹介します。
※2019年5月の記事です
レトロ電車撮影会
ことでんの車庫がある、琴平線の「仏生山駅」。
まず見えてきたのは、元京浜急行のカラーになった「還暦の赤い電車」1081号。隣には「23号」。1925(大正14)年の製造で車齢94年。営業線を走る列車としては日本最古!
最古の電車とは思えないぐらい、ピッカピカの車両。
武骨な下回りがまたカッコいい。
奥には、レトロ電車3編成が並んでます。
1926(大正15)年製の1000形120号。
同じく1926(大正15)年製の3000形300号。
1928(昭和3)年製造の5000形500号。
ちょこんと乗った前照灯。
配管がたくさん這ってる連結器まわり。
サボを交換しながら進む撮影会。
急行ヘッドマーク。
産業遺産推薦。
行先サボを掲げた日常の姿。
回送や試運転も。
この日用意されたサボやヘッドマーク。
ことでんの社員の方もベストポジションを確保。本当に大切にされてるんだなー。
いよいよこの後は、レトロ電車の特別運行に乗ります!
レトロ電車特別運行(仏生山から琴電琴平へ)
列車の接近表示は、ひとつ前の駅を出るとランプが点灯するやつ。レトロ!
やってきました!
「ドドドドドドドドッ」
「ギィーーーッ!」
大正14年製造の「20形23号」、大正15年製造の「3000形300号」「1000形120号」、そして昭和3年製造の「5000形500号」。どれも車歴90年以上の4両編成。
今でも現役で走っているのが「奇跡」に近いぐらい。まさに国宝級!
ドアを閉めて出発進行。
ゴールデンウィーク中でしたが、4両編成なのもあってか、ほぼ座席満ぐらいの乗車。車両によってはゆったり。
やっぱり運転席の後ろは1番人気。
網棚の造作とか、
扉の柱にあるちょっとした造形と、当時のお洒落な大正モダンを感じさせてくれます。
大正時代に冷房なんてもちろんないので、扇風機全開。窓も全開。
風が心地よくて気持ちいい!
今や窓すら開かない車両ばかりですからね。これも貴重。
路線案内図も昔のまま。まるで走る博物館。
一部の駅では、行き違いのためしばらく停車します。貴重なサボを出してくれたり、写真撮影に余念がありません。
レトロ電車は終点の「琴電琴平駅」に到着。
レトロ電車特別運行(琴電琴平から仏生山へ)
運転台を見学させてもらったり写真を撮ったりしていると、あっという間に発車時間。
レトロ電車は再び仏生山へ向かって走ります。
帰りの電車はのんびりした空気。
横揺れは意外に少ないのですが、スピードが上がると縦揺れがすごい。まるでトランポリンのように「ボヨンボヨン」。吊り掛け駆動ならではの唸る音もたまりませんね。
レトロ電車は無事、終点の「仏生山駅」に到着しました。
レトロ電車の廃車計画
私が乗った特別運行の翌日、レトロ電車の廃車計画が発表されました。
この時の計画では、2020年のゴールデンウィークには最古参の「23号」が廃車の予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期。「500号」とともに2020年9月20日・21日のシルバーウィークさよならイベントをもって引退となります。
90年近くに渡って走り続けた車両たち、本当にお疲れさまでした。引退する最後の日まで、事故なく無事に運行を終えることを願っております。