
島根県を走る「一畑電車」では、毎週金土日祝に「デハニ50形」という昭和初期生まれの電車の体験運転を開催しています。電車が運転できるなんて夢のような話、テンション上がりますよね!
体験運転ができる雲州平田駅へ
まずは体験運転ができる「雲州平田駅」を目指します。


JR「出雲市駅」に隣接した「電鉄出雲市駅」から。デハニ50形と同じボディーカラーを施した、元東急の車両を改造した電車に乗ります。
乗ったのは出雲大社前行きだったので、途中の川添駅で松江しんじ湖温泉行きに乗り換え。

毎時1回、3方向から列車がやってきて連絡するダイヤ。線路には列車が並び、ホームは乗り換えの多くのお客さんで賑わいます。
電車は「雲州平田駅」に到着。

雲州平田には車庫や工場があり、一畑電車の中枢駅です。
電車の基礎知識を勉強
ではさっそく電車を運転!という訳にはいきません。まずは電車が動く仕組みや止まる仕組みなど『電車の基礎』を学ぶため、講習部屋へ。





マスコンやブレーキ弁がたくさん並んでいます。かつて使われていたサボや懐かしい写真も。鉄道ファンにはたまらない空間ですね!
ちなみに体験運転の内容は『講習→見学→昼食→体験運転』の順。

講習の教材は冊子とブレーキ弁!そう、このブレーキ弁の操作が後々体験運転のカギになっていくのです。
雲州平田駅を見学
座学の講習を受けた後は、外に出て車庫の見学へ。


電車を下から眺める事なんて、かなり貴重ですよね!


この黄色いやつは、軌道を点検するための「軌道自転車」。今でも台風など自然災害の後にこれに乗って点検をしてるんだって。

見学のあとは一旦昼食タイム。午前中にスタートする体験運転では、昼食がつきます。

体験運転に参加した人しか食べられない、貴重なお弁当。美味しい!
いよいよデハニ50形を運転!

さぁ、いよいよ電車を運転します。ドキドキ
体験運転は、約150mある『体験運転専用線』を走ります。



(写真は出雲大社前駅に保存されているデハニ50 52形)
80年以上前に製造された電車。客席と運転席だけかと思いきや、実は荷物室もついているめずらしい車両。だから形式も「デハニ(←荷物室のニ)」なんだって。

マスコンとブレーキと計器が2つだけ。今の電車と比べると驚くほどシンプル!

「前方よし。出発進行!」
ノッチの左にある「逆転機レバー」を前進位置へ。ブレーキハンドルを左に緩め、ノッチを手前に引くと電車が動き始めます。
時速15kmを目安に加速し、途中にあるポイントの前でノッチオフ。電車は惰性で走っていきます。

そしてブレーキをかける準備。80年以上前の電車のブレーキは「自動空気ブレーキ」というやつ。電車でGOみたいなブレーキとは全く異なります。
ブレーキハンドルを右に回し、圧力計を確認しながらブレーキをかけます。重なり位置、抜いたり(ブレーキを弱めたり)、込めたり(ブレーキを強めたり)、ブレーキ弁の位置の見極めとか微妙な調整が難しい!

でも大丈夫。隣には本物の運転士さんもついてくれるので、お子さんでも楽しく運転できてました。電車を運転したなんて、きっと一生の思い出になるんだろうなー。

鉄道好きの方はもちろん、「電車にはあまり興味がない」って方にもおすすめ。男女問わず、一生の思い出になること間違いないですよ!
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穴道湖を眺めながら松江しんじ湖温泉へ

体験運転には、一畑電車の「1日フリー切符」がセットで付きます。体験運転のあとは「松江しんじ湖温泉駅」へ。

クロスシートだったので、穴道湖側の席に着席。ただし、途中の一畑口で進行方向が変わるので注意!


右手に穴道湖を見ながら列車は走ります。素晴らしい景色!

松江しんじ湖温泉駅に着くと、ちょうど隣のホームには、一畑電車の新造車7000系が止まってました。

松江しんじ湖温泉は、松江城下、宍道湖が目の前に広がる温泉街。

宍道湖の湖畔まで足を伸ばすと、ちょうど夕陽が沈むころでした。
体験運転修了証が届いた!
後日、一畑電車さんから自宅に届いた封筒。

中には『体験運転修了証』と、参加全員の集合写真が入ってました。この修了証があれば、次回からは講習が免除された『マスターコース』に参加できるとの事。
今度はいつ運転しに行こうかな!一畑電車さん、ありがとうございました!
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