マサテツ〜食べ鉄旅日記〜

楽しいリゾート列車 美味しいレストラン列車

JR西日本の「WEST EXPRESS 銀河 (ウエストエクスプレス銀河)」山陰コース下り|まるで往年のB寝台!クシェットに乗って夜行列車の旅へ

鉄道コム

f:id:masa-tetsudo:20230531132117j:image

JR西日本の長距離列車「WEST EXPRESS 銀河 (ウエストエクスプレス銀河)」。今回は、京都から出雲市間を走行する、山陰コース下りに乗車。長距離夜行列車の旅を楽しんできました!

*2023年5月の情報を基に作成しています

TikTokでも紹介しています!

@masatetsudo ウエストエクスプレス銀河の多彩な車内設備を大公開!#ウエストエクスプレス銀河 #鉄道 #鉄道旅 #鉄道旅行 #乗り鉄 #和歌山旅行 #和歌山 #JR西日本 ♬ France Accordion Swing - MIZUSATO Masaki

新快速の117系が豪華車両に変身

f:id:masa-tetsudo:20230531132109j:image

旅のスタートは「京都駅」から。「ウエストエクスプレス銀河」が発車する31番線の前は、銀河のパネルやのぼりが置かれていて、撮影スポットになっていました。
f:id:masa-tetsudo:20230531132120j:image

「ウエストエクスプレス銀河」は、2020年9月にデビューしたJR西日本の長距離列車。シーズンによって運行コースが異なり、私が乗車した時は京都〜出雲市間の山陰コースで運行されていました。

▽復路ファーストシートの記事はこちら!

www.masatetsudo.com


f:id:masa-tetsudo:20230531132101j:image

20時半頃にホームに来ましたが、すでに「ウエストエクスプレス銀河」が停車していました!

f:id:masa-tetsudo:20230531132911j:image

「ウエストエクスプレス銀河」の車両は「117系」といって、国鉄時代に京阪神地区の新快速電車用として製造されました。現在はほとんどの車両が運行を終えていますが、「ウエストエクスプレス銀河」は株式会社イチバンセンの川西康之氏のデザインで新たな車両として蘇ったのです。
f:id:masa-tetsudo:20230531132925j:image

ボディカラーは瑠璃紺色に白のライン。西日本が誇る美しい海や空を表現しているそう。かつて全国を走ったブルートレインの色にも通ずるものがありますね。
f:id:masa-tetsudo:20230531132918j:image

西日本エリアの魅力的な地域を星に見立てたロゴマーク。

f:id:masa-tetsudo:20230602133726j:image
f:id:masa-tetsudo:20230602133722j:image

各車両のドアの横には、車両の設備がシンプルなピクトグラムで表示されています。

多彩な座席とフリースペース

f:id:masa-tetsudo:20230531132049j:image

それでは車内へ。
f:id:masa-tetsudo:20230531132043j:image

まずは、私の今宵の宿となるクシェットへ。カーペット敷きの床に足元を照らすライト。天井のライトも柔らかです。
f:id:masa-tetsudo:20230531132058j:image

「普通車指定席クシェット」は、ひとつのボックスに上下2段の計4席。まさにブルートレインのB寝台です!
f:id:masa-tetsudo:20230531132105j:image

クシェットは寝台ではなく「横になれる座席」という位置付けなので、シーツや布団はなく、枕カバーとブランケットが置かれていました。

f:id:masa-tetsudo:20230531132053j:image

床と下段ベットとの高さは低く、出入りに不自由はなさそう。個別の照明や小物入れ、コンセントもあります。
f:id:masa-tetsudo:20230531132045j:image

上段と天井との間の高さは決して低くなく、圧迫感はありませんでした。ただし窓は上段の高さまでないので、車窓は望めません。

f:id:masa-tetsudo:20230531135239j:image

こちらは「普通車指定席リクライニングシート」。
f:id:masa-tetsudo:20230531135255j:image

普段乗る特急列車と比べると、座席の間隔が広くて広々。リクライニングの角度も深くなっているのだそう。
f:id:masa-tetsudo:20230531135258j:image

照明は暖色系の柔らかな間接照明。夜汽車の旅にぴったり。

f:id:masa-tetsudo:20230602133907j:image

f:id:masa-tetsudo:20230604101258j:image

座席は他にも、女性専用席(リクライニング、クシェット)、ファミリーキャビン、グリーン車ファーストシート、グリーン個室のプレミアルームがあり、旅の目的や人数に応じて多彩な選択肢があります。

f:id:masa-tetsudo:20230531135252j:image

4号車は1両すべてがフリースペース。
f:id:masa-tetsudo:20230531135302j:image

ベンチのような気軽に座れるところや…
f:id:masa-tetsudo:20230531135249j:image

スタンディングスペースも。
f:id:masa-tetsudo:20230531135243j:image

f:id:masa-tetsudo:20230602134642j:image

そして、4つあるボックスシートは大きなテーブルがあり、ここで食事をするのもよさそう。
f:id:masa-tetsudo:20230531135235j:image

さらに、テーブルには将棋やチェスなどのボードゲームの盤面が刻印されていて、駒を持ち込めば列車の中で対戦ができる!

f:id:masa-tetsudo:20230602134551j:image

仕切り壁には、往年の寝台列車が描かれています。新幹線100系の食堂車の仕切り壁に飾られたエッチングアートのデザインに似ているところが、憎い演出!

f:id:masa-tetsudo:20230602134753j:image

フリースペースでは「車内がまるで美術館に!」をコンセプトに、藍染の石州和紙を使った行灯や、安来市にある工房の置き風鈴などが展示されています。
f:id:masa-tetsudo:20230602134751j:image
f:id:masa-tetsudo:20230602134800j:image

4号車以外にも各車両にフリースペースがあり、乗客同士の語らいや気分転換に利用できます。

f:id:masa-tetsudo:20230602135922j:image
f:id:masa-tetsudo:20230602135925j:image

各フリースペースには「明星」や「彗星」といった、かつての寝台特急の名称が付けられているのが、またまた憎い演出!

特に急がず走る特急列車

f:id:masa-tetsudo:20230602140259j:image

「京都駅」を発車した「ウエストエクスプレス銀河」。新快速で23分の距離を、新快速や普通に抜かれながら52分かけて「新大阪駅」に到着。ここでは10分停車。
f:id:masa-tetsudo:20230602140317j:image

またまた新快速が抜いていきました。種別は特急ですが、"特"に"急"がず走る"特急"です。
f:id:masa-tetsudo:20230602140242j:image

「大阪駅」に到着。
f:id:masa-tetsudo:20230602140321j:image

窓の向こうは日常ですが、車内には非日常の空気が流れています。
f:id:masa-tetsudo:20230602140252j:image

「大阪駅」を発車後、車内ではお夜食が配られました。神戸駅や新神戸駅などにある「淡路屋」の「WEST EXPRESS 銀河弁当」です。
f:id:masa-tetsudo:20230602140246j:image

銀河のロゴマークがデザインされた容器が素敵!お弁当箱として再利用できそうですね!では、オープン!

f:id:masa-tetsudo:20230602140310j:image

おぉー!おにぎりが大きい!美味しそう!
f:id:masa-tetsudo:20230602140256j:image

兵庫県の明石名物のたこがたっぷり入った「たこ飯おにぎり」。たこの旨みがご飯にもしっかり染み込んでいて、美味しい!
f:id:masa-tetsudo:20230602140303j:image

大阪では「いもたこなんきん」と呼ばれる、里芋とたこと南瓜の煮物。漬物は京都名物のすぐき漬け。スイーツには抹茶わらび餅。関西で親しまれている名物料理が詰まったお弁当でした!
f:id:masa-tetsudo:20230602140313j:image

お弁当を食べていると、車掌さんがトレーディングカードを配ってくれました。なんでも大阪車掌区の皆さんの手作りなのだそう。

袋を開けると出てきたのは、117系シティーライナー。117系「ウエストエクスプレス銀河」に改造する前が、まさにこの姿だったのです。「ウエストエクスプレス銀河」の素敵な車内からは想像する事ができません。

夜の神戸を疾走する「ウエストエクスプレス銀河」。車窓にはライトアップされた明石海峡大橋が見えてきました。
f:id:masa-tetsudo:20230602140306j:image

列車は「西明石駅」に到着。時刻は23時12分。電車の終電の時間が近づく頃。向こうに見える普通電車大阪行きは最終電車の1本前でした。
f:id:masa-tetsudo:20230602140249j:image

「この放送をもちまして、翌朝まで放送を休止させていただきます」。おやすみ放送が流れ、やがて車内は消灯。足元の灯り以外は電気が消えて暗くなりました。私も横になって、少し眠りたいと思います。

早朝のトマトジュース

f:id:masa-tetsudo:20230603140526j:image

目が覚めて時計を見ると、5時30分。窓のブラインドを開けると、昨日の都会の景色とは打って変わって、山々と川に囲まれたのどかな景色。
f:id:masa-tetsudo:20230603140511j:image

早朝から美しい景色を眺めながら、思わずうっとり。「生山駅」の到着20分前におはよう放送が流れて電気が点灯。同時に、現在定時で走っている事も伝えられました。

f:id:masa-tetsudo:20230603140532j:image

6時2分。列車は「生山駅」に到着。ここで32分停車します。
f:id:masa-tetsudo:20230603140520j:image

少し靄がかかった空。空気は少し冷たくて、思わず羽織るものを取りに一旦引き返しました。
f:id:masa-tetsudo:20230603140529j:image

ホームでは、早朝から「生山駅」がある鳥取県日南町のトマトを使ったトマトジュースなど、日南町の特産品の販売が。

f:id:masa-tetsudo:20230603140623j:image

「極純とまと」というトマトジュースを購入して、車内でいただきました。日南町のトマト100%。しかも塩なども一切加えず、トマトを絞っただけのジュース。とっても濃厚で甘い!青臭さは全くなくてゴクゴク飲める!美味しい!
f:id:masa-tetsudo:20230603140514j:image

駅舎の方にも足を伸ばしてみました。
f:id:masa-tetsudo:20230603140523j:image

日南町の公式キャラクターは「オッサンショウウオ」という、ちょっとひと癖ありそうなやつ笑
f:id:masa-tetsudo:20230603140517j:image

歓迎の提灯も飾られていました!
f:id:masa-tetsudo:20230603140536j:image

再びホームへ。
f:id:masa-tetsudo:20230603140540j:image

本来なら「出雲市駅」を4時42分発という超早起きな「やくも2号」と行き違うダイヤですが、この日は前日の大雨の影響で「やくも2号」は運休していました。

f:id:masa-tetsudo:20230603140820j:image

やがて米子行きの普通列車が発車。普通列車にも抜かれる特急列車。本当に、特に急ぎません。
f:id:masa-tetsudo:20230603140823j:image

6時34分。列車は「生山駅」を発車します。

伝統芸能「安来節」を披露

f:id:masa-tetsudo:20230604090708j:image

この先「米子駅」「安来駅」と停車。安来では24分の停車時間があります。
f:id:masa-tetsudo:20230604090721j:image

安来駅ホームで披露されたのは、安来節保存会の皆さんによる伝統芸能「安来節」の披露。
f:id:masa-tetsudo:20230604090702j:image

「安来節どじょう踊り」は、日本を代表する伝統芸能。
f:id:masa-tetsudo:20230604090748j:image

踊ってくれるのは、安来節保存会の有資格者。豆絞りの手ぬぐいを頭に、腰にはドジョウを入れるビクを付け、ザルを頭に乗せ、腰を振りながら登場。正面を向いてにっこりした顔には鼻に銭が。ユーモラスな踊りで、朝から楽しいひとときが過ごせました!


f:id:masa-tetsudo:20230604090743j:image

車内に戻り、朝食のお弁当をいただきましょう。銀河の掛け紙がついたお弁当は、米子駅の「米吾」の銀河特製弁当。では、オープン!
f:id:masa-tetsudo:20230604090711j:image

おぉー!おかずたっぷり!美味しそう!
f:id:masa-tetsudo:20230604090705j:image

中央にどーんとあるのは、米吾の名物駅弁・吾左衛門鮓」。肉厚な鯖と酢飯を昆布で巻いた鯖寿司。鯖はとっても脂がのっていて味が濃厚!肉厚になので食べ応えもあって、美味しい!
f:id:masa-tetsudo:20230604090651j:image

他にも、焼き鱒、煮物、天ぷらなど、色々なお料理を少しずつ楽しめるのがいいですね!
f:id:masa-tetsudo:20230604090715j:image

列車は「松江駅」に到着。
f:id:masa-tetsudo:20230604090658j:image

ここでは国宝松江城にちなんで、武将がお出迎え。記念撮影をしてくれました!
f:id:masa-tetsudo:20230604090727j:image

「ウエストエクスプレス銀河」の旅の最後を飾るのは、車窓に広がる宍道湖。空はあいにくの曇り空ですが、雨は止んでよかった!
f:id:masa-tetsudo:20230604090730j:image

9時31分。京都から12時間の旅を終え、列車は終点の「出雲市駅」に到着。
f:id:masa-tetsudo:20230604090733j:image

座席とは違い横になって寝られるのは快適で、ぐっすり眠る事ができました。ただしクシェットは枕がないので、空気枕などを用意しておく方が良さそう。車内はおしゃれかつ機能的で、特に大きなテーブルがあるフリースペースは居心地が良かったです。

一畑電車フリー乗車券で山陰を巡る

f:id:masa-tetsudo:20230604093534j:image

「ウエストエクスプレス銀河」には、オプションで一畑電車のフリー乗車券を付けることができます。電鉄出雲市駅の窓口で引き換えると、受け取ったのは「ウエストエクスプレス銀河」特製のフリー乗車券でした!
f:id:masa-tetsudo:20230604093538j:image

「電鉄出雲市駅」から一畑電車に乗車。
f:id:masa-tetsudo:20230604093542j:image

国宝松江城の最寄り「松江しんじ湖温泉駅」までは約1時間。

f:id:masa-tetsudo:20230604093633j:image

出雲大社の最寄り「出雲大社前駅」までは約30分。
f:id:masa-tetsudo:20230604093640j:image

名物の「出雲そば」に舌鼓。伺ったのは、出雲大社の正門前にある「そば処田中屋」。平日でも行列ができる人気店です。

皆さんも「ウエストエクスプレス銀河」と山陰の旅を楽しんでみては!

関連リンク

関連記事

JR西日本の「WEST EXPRESS 銀河 (ウエストエクスプレス銀河) 山陰コース上り|座席から寝台へ転換するファーストシートで夜行列車の旅へ - マサテツ〜食べ鉄旅日記〜

鉄道イベント情報

小田急 VSE 最後の全線走破ミステリーツアー(2023年7月16日) - 鉄道コム

B.B.BASE BOSO地酒バルトレイン南房総(ツアー)(2023年7月8日) - 鉄道コム

久留里線 納涼角打ち列車(ツアー)(2023年7月16日) - 鉄道コム

東武・野岩鉄道 634型 東武日光~会津高原尾瀬口間(ツアー)(2023年8月25日) - 鉄道コム

能勢電鉄 平野車庫 ありがとう復刻塗装車撮影会(2023年7月15日) - 鉄道コム

WEST EXPRESS 銀河公式サイト

www.jr-odekake.net