JR東日本の観光列車「海里」。今回は本格的なお料理がいただけるダイニングプランで乗車。新潟・庄内の食と日本海の絶景を堪能してきました!
*2022年10月の情報を基に作成しています
ゆったり過ごせるダイニング車両
「海里」は新潟県の新潟〜酒田間を走る観光列車。今回乗車するダイニング車両の他に、リクライニングシート、コンパートメント、売店の各車両を連結した4両編成です。
▽海里の詳しい紹介はこちら
車掌さんによる銅鑼の合図でドアがオープン。それでは4号車のダイニングへ。
ダイニングは2人掛けと4人掛けのテーブル席。
座席はソファーのようなふわふわの座り心地。背もたれが高くて包み込むような形状になっているので、まるで半個室のような空間。
テーブルも大きいのでゆったりと食事が楽しめます。
駅員さんのお見送りの中、列車はゆっくりと新潟駅を離れます。
新潟の老舗料亭「鍋茶屋」のお料理
まずはウェルカムドリンクから。国内製造のクラフトビールの第一号である「エチゴビール」のピルスナーで乾杯。
お料理が運ばれてきました。おしゃれなお重は、新潟で100年以上の歴史を誇る老舗洋食器店「大橋洋食器」の海里オリジナル。
お料理の提供は、新潟の老舗料亭「鍋茶屋」。創業は江戸末期(1846年)。初代がすっぽん鍋料理を始めたことが店名の由来なのだそう。主屋は有形文化財にも指定されているのだとか。
おぉー!なんて美しい見た目!美味しそう!
美しく盛り付けられた口取り。食べるのがもったいないぐらい。車海老の手まり寿司、子持ち鮎、小芋田楽など。
新潟の郷土料理、のっぺ。里芋や人参、椎茸などの煮物。里芋のぬめりでとろみがあり、薄味なのでさっぱり。冷やしても美味しい煮物です。
新潟和牛のローストビーフ。しっとりと柔らかい食感。肉の旨みも濃厚。プチプチ食感がたまらない、いくらの醤油漬け。
海老しんじょうの揚げ物は海老の風味が濃厚。新潟は蒲鉾やしんじょうといった水産加工品の生産が盛んなのだそう。
朴葉に包まれていたのは鰆。程よく脂がのっていて、朴葉のいい香りも広がります。
ご飯は魚沼産の新米こしひかり。新潟のお米は本当に美味しいですね。鍋茶屋特製のじゃこ山椒とともに。
鮭のしんじょうと舞茸が入ったお椀。ほんのり香る柚子がいい感じ。
桑川駅では日本海が望める海岸へ
美味しいお料理をいただいていると、車窓には日本海が見えてきました。まさに「海里」のコンセプトである「日本海ビューダイニング」です。
列車は「桑川駅」に到着。ここでは約20分停車します。
駅前の道路を渡ると、すぐ目の前は日本海。階段を降りれば、海のそばまで近づけます。
目の前に見えるのは粟島。この日の日本海の波は穏やか。曇り空なのが残念です。
車内に戻ると、テーブルには食後の水菓子の準備がされていました。
濃厚で優しい甘さの豆乳プリン。
フルーツは無花果のコンポート、シャインマスカット、おけさ柿、梨。
最も北にあるお茶の生産地である、新潟県村上市の村上茶とともに。
「桑川駅」を発車した列車は景勝地「笹川流れ」が眺められるビュースポットへ。じっくり景色が見られるようにゆっくりと走ってくれます。
観光停車や徐行をしながらゆっくり走る「海里」。「あつみ温泉駅」では、あとから来た「いなほ」に先を譲ります。
やがて車窓は、のどかな庄内平野へ。正面に見える山は、月山。頂上は残念ながら雲の中。
13時20分。列車は終点「酒田駅」に到着。酒田は、古くから日本海の海上交易と最上川の舟運の要として発展してきました。
復路の「海里」の発車までは約1時間30分。駅前のレンタサイクルを使えば「山居倉庫」といった観光地に立ち寄ることもできそう。
「アル・ケッチャーノ」の庄内イタリアンとドルチェ
再び「酒田駅」に戻り「海里」に乗車します。復路ではダイニング車両が先頭になります。新潟行きの前面展望は、ダイニング車両の乗客の特権!
「海里」の車両は、最新のディーゼルハイブリッド車両。運転席のモニターには動力装置の様子が細かく表示されています。
酒田を15時ちょうどに発車した「海里」は、約20分で「鶴岡駅」に到着。ここでは30分の停車時間があり、駅前にある物産館「フーデバー」に足を運ぶことができます。
「鶴岡駅」を発車し、いよいよお料理が登場!復路の料理は、鶴岡市にある「アル・ケッチャーノ」の奥田政行氏が監修。庄内地方で栽培されてきた在来作物や生産者との絆にこだわった「庄内イタリアン」を提供されています。
車内では「アル・ケッチャーノ」のイタリアンと、奥田氏のドルチェ専門店「ファリナモーレ・ドルチェ」のドルチェ詰め合わせが提供されます。
おぉー!美味しそう!
まずは「アル・ケッチャーノ」のイタリアンから。
庄内豚のミンチとハムを包んだトルテリーニ。モチモチの生地の中からジューシーな肉が溢れます。日ちなみにトルテリーニとは『小さい帽子』という意味だそう。
43℃で低温調理したマスは、ねっとりした食感にマスの味わいが凝縮。
山形牛はトマト煮込みに。3%の塩水に3日間、赤ワインに2日間漬け込んでいるのだそう。弾力のある肉の塊がボリュームあって、トマトの酸味ともマッチ。
続いては「ファリナモーレ・ドルチェ」のドルチェ詰め合わせ。
シルクのまちと言われる鶴岡にちなんで、シルク入りの生地に発酵バタークリームをサンドしたマカロン。キャラメルムースは、ビターな味わいに庄内の山胡桃がアクセント。
ヤギのミルクから作った濃厚なリコッタチーズケーキ。山形県の郷土菓子くじら餅が入ったチョコレートケーキ。
ドルチェとともにホットコーヒーを。どれも美味しくてボリュームもあるので、お腹いっぱい!
夕暮れの日本海
列車は夕暮れの日本海沿いを走ります。
「桑川駅」では、往路と同じく停車時間があります。
この日は、桑川駅の停車時間と日の入りが同じ時間という事で夕日を期待していたのですが、残念ながら雲の向こう。
再び列車に戻り、終点の新潟を目指します。
酒田から約3時間30分。列車は終点の「新潟駅」に到着。気軽に乗車できる指定席、本格的な料理がいただけるダイニング。旅のプランに合わせて選べるのが「海里」の魅力。人気なのも頷けます。皆さんもぜひ「海里」に乗車して新潟・庄内エリアを訪れてみては!
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