かつて上野と札幌を結んだ「寝台特急 北斗星」の牽引機専用カラー、通称「北斗星カラー」が東武鉄道で復活!
DE10北斗星カラーとスハフ14 501のデビューを記念した、クラブツーリズム主催の団体列車に乗ってきました。
- スカイツリートレインで南栗橋へ
- いよいよ「DL大樹」に乗車
- 北の大地を彷彿!北斗星カラーのDLと北海道からやってきたスハフ14 501
- ブルーで統一された編成美
- 下今市で"バカ停"
- 2機のDLが並んだ!奇跡の光景
- 転車台でサービス回転
- 6時間30分の客車旅もまもなく終点
スカイツリートレインで南栗橋へ
東武鉄道のターミナル「浅草駅」から旅はスタート。
日光、鬼怒川温泉、会津、赤城方面への特急は、ここ浅草駅が始発です。
今回の行程は、浅草〜南栗橋までは団体専用列車「スカイツリートレイン」に乗車。
南栗橋からは、DE10北斗星カラーが牽引する客車列車「DL大樹」に乗車。鬼怒川温泉で折返し下今市までの旅です。
急カーブかつホームが狭い、浅草駅。
乗降用の渡り板まで設置されていてびっくり!
狭いホームの柱の影からひょっこり現れた、スカイツリートレイン!
カラフルなボディーでかわいいですね!
発車まで時間が無いのでササっと乗車。さっそく席につきます。
車内はこんな感じ。座席は1人がけと2人がけ。車両によっては、座席が窓側を向いていました。
列車はすぐに浅草駅を発車。隅田川を渡り一路、南栗橋を目指します。
スカイツリートレインから眺める、東京スカイツリー。あまりに高くて、てっぺんまで見えませんでした。
座席の柄に、ソラからちゃんが隠れてる!
車両の形式は、東京スカイツリーの全長634mにちなんで「634型」。
東京スカイツリーへのリスペクトさがすごいよ!
東武鉄道は普段乗らないので詳しくないのですが、『北千住を通過する貴重な体験…』という放送が聞こえてきたので、早速すごーく貴重な体験ができました!
車内では、クラブツーリズムや東武鉄道から記念乗車券グッズが配られています。
浅草駅で発売されていた「SLふたら記念乗車券」なども合わせたら、こんなにいっぱいになりました!
天井まで広がる大きな屋根が、スカイツリートレインのポイント。今日さ天気が良くて空が青い!
そういえば、朝ごはんがまだだった!
あらかじめ買ってきた「チキン弁当」をいただきます。
ケチャップライス美味しい!
チキンはスパイスが効いてて、冷めてるのに美味しい!
なんと1964年から発売されている超ロングセラー駅弁。人気なのも納得でした。
複々線区間を走っていた列車でしたが…
駅弁を食べてるうちに、こんなにのどかな光景が広がっていました。
浅草から約50分で「南栗橋駅」に到着。スカイツリートレインとはここでお別れです。
いよいよ「DL大樹」に乗車
「DL大樹」の発車まで、約1時間待ち。
コンコースでは、東武鉄道のグッズ販売が行われています。
スカイツリートレインのカードをいただきました!
DE10 1109のデビューを祝う看板も。
工事中の箇所があったのですが、安全第一の上に電車のイラストが貼ってあってかわいい!これ、いいですね。
駅前に店も何も無さすぎてほとんどボーッとしていましたが、いよいよ今回の旅のメイン「DL大樹」に乗車します!
客車を先頭にゆっくりとホームに入ってきました。
DL大樹が来た!! pic.twitter.com/tiNQrB4XC6
— マサテツ (@masatetsudo) 2020年8月30日
南栗橋も発車まで時間が無いので、ササっと乗車。
南栗橋を発車後、右側には車庫が見えてきます。元国鉄の客車から私鉄の電車を眺める、嘘のような本当の光景。
まだ見ぬDE10(南栗橋で時間が無かったので)を先頭に、列車はゆっくりと走ります。
北の大地を彷彿!北斗星カラーのDLと北海道からやってきたスハフ14 501
「板倉東洋大前駅」に到着。「DL大樹」はここでしばらく停車します。
2017年から運行している「SL大樹」に、真岡鐵道から譲渡した「C11 325号機」を新たに導入。
2機体制となる事で、補機となるDLと客車が新たに必要となり、今回「DE10 1109」と「スハフ14 501」が導入されました。
ではお待ちかね、DE10北斗星カラーとご対面!
おぉー!ピカピカ!カッコいい!!
ブルーのボディーにゴールドのライン、そして星マーク。「北斗星」を牽引したJR北海道のDD51のカラーそのままです!すごい!
そして、先頭に掲げられた「大樹」のヘッドマーク。初めて間近で見ましたが、これ、すごくカッコいい!
開いた窓からチラリと見える運転席。実はDE10という機関車は、入換運転がしやすいように運転席が横向きに配置されている、めずらしい構造なのです。
さて、今度は客車を見学したいと思います!
この列車の客車は3両編成。
まずは1号車。DLのすぐ後ろの客車は「スハフ14 501」という形式。
DE10北斗星カラーとともにデビューした客車です。
元々は北海道で活躍した車両なので、こんなところに名残が!
ブルーの座席が並ぶ車内。
床はJR北海道時代に張り替えられています。北海道では夜行列車の「急行 はまなす」に使用されてたのだとか。北の大地を走る客車急行の雰囲気が感じられる車内です。
次は2号車。こちらには「ドリームカー」と表示が。車内へ入ると…
さっきの車両と全然違う!
床はカーペット敷き。そして座席はふかふか!
さらに、座席がめちゃくちゃリクライニングします。その角度なんと145度!
ドリームカーは、かつて北海道の夜行列車「急行 はまなす」「急行 まりも」に連結されていました。指定席にもかかわらずグリーン車並みの設備で人気だったそうです。
ドリームカーにはこんな空間も。誰でも自由に使える、ラウンジスペース。
金ピカの椅子と大理石のテーブルがバブリー!
最後は3号車ですがその前に、車両の「扉」に注目。
1号車、2号車の扉は横に開く「引き戸」でした。しかし、次の3号車は…
内側に開く「折り戸」。この違いは、かつて車両が活躍した地域が理由にあるのです。
北海道で活躍していた先の2両は、扉の凍結防止のために引き戸になっていて、さらにヒーターも完備されています。
3号車の「オハフ15-1」は四国からやってきた車両なので、標準的な折り戸になっています。
という事で、3号車の「オハフ15-1」。オハフ15という形式の1番目に製造された車両、つまり『トップナンバー』ってやつですね!
1号車、2号車と違って、こちらは国鉄時代の雰囲気が"ぷんぷん"香ります!
大きな水玉のカーテン。
無骨な姿のクーラー。
「簡易リクライニングシート」という、不評だった座席。
簡易リクライニングシートは、座席をリクライニングしてもストッパーがないので、少しでも気を抜くと元に戻ろうとする力が働き「バタン!」と大きな音がして、リクライニングが解除されてしまいます。
当時は「バッタンシート」なんて呼ばれてたんだって!でも、今の私たちにとってはこれも国鉄をしのぶ懐かしのアイテムです。
駅係員の合図で「DL大樹」は板倉東洋大前駅を発車。
扉を閉めて、沈黙のあと、長い汽笛。これぞ客車の旅#DL大樹 pic.twitter.com/PajsTGJ2qY
— マサテツ (@masatetsudo) 2020年8月30日
14系客車の窓から望む風景、いいなー。列車は、のどかな風景の中をゆっくりと走ります。
ブルーで統一された編成美
しばらく走り、列車は「新鹿沼駅」に到着。ここでもしばらく停車します。
反対のホームに回って、今度は「DL大樹」の全容を見てみます。
DLを先頭に3両の客車、その姿はまさに国鉄時代の客車急行列車そのもの。「令和」の現代に、「東武」という私鉄でその姿が見られるとは。夢のような本当の話です。
がっちりと連結器を繋ぐ、DLと客車。
ものごっつエエ音してはる!#クラブツーリズム #DE10 pic.twitter.com/VWWstqvv8b
— マサテツ (@masatetsudo) 2020年8月30日
「ゴゴゴゴゴ」
ディーゼルカーのそれよりも大きくて迫力あるエンジン音、あたりには軽油の臭いがただよう。人間の"五感"に響く姿には、SLに負けない魅力があります。
停車時間はたっぷりあるので、DE10の撮影をしばし楽しんでいました。
6050系の普通列車に先を譲り、東武の新型特急「リバティ」と並んだり。
約45分の停車ののち「DL大樹」は、鬼怒川温泉を目指して再びゆっくりと歩み始めます。
下今市で"バカ停"
遠くに見える山は、何山でしょうか。
下今市に近づくにつれ、山並みが近づいてきます。
右側に下今市機関区が見えてくると、列車は「下今市駅」に到着。
駅係員さんが、横断幕を持ってお出迎え。ありがとうございます!
あんなに晴れていたのに、下今市の手前から雲行きが怪しくなって、駅に着いた頃には雨。
DE10に打ちつける雨。
DL大樹はここで長時間停車。他の列車にホームを開けるために側線へ引き上げるので、乗客は荷物を持って一旦下車します。
機関庫を見学に行こうかと思っていましたが、雨が激しいのでそのままホームで待ちぼうけ。
やってきたのは、引退が噂される350系の「特急 きりふき」。
DL大樹が下今市に入線。バックには機関庫もあるし、まるでタイムスリップしたみたい! pic.twitter.com/gAiJv1oDb1
— マサテツ (@masatetsudo) 2020年8月30日
発車の5分前にDL大樹が入線。
再び乗車し、鬼怒川温泉を目指します。
外は雨で景色は良くないので、今のうちにランチタイム。下今市駅のホームでは「日光 油源」謹製の駅弁が発売されており、今回は「日光豚弁当」を購入。
SL大樹の「C11 207」の焼印が入った玉子焼きに惹かれました!
おかずの下には日光産の豚ロース肉の焼肉が隠れていて、ボリュームたっぷり。湯葉も入って日光らしさもしっかり詰め込まれたお弁当。美味しい!
2機のDLが並んだ!奇跡の光景
DL大樹は「鬼怒川温泉駅」に到着。隣のホームからは「SL大樹」がまもなく発車。
わずかな時間ですが、北斗星カラーの「DE10 1109」と、SLの補機として連結された国鉄標準色の「DE10 1099」が会津方で並びました!
まるで昭和の時代にタイムスリップしたよう。東武でDLが並ぶとは、本当に凄すぎます!
DL大樹の到着から5分ほどで、SL大樹は発車して行きました。
転車台でサービス回転
鬼怒川温泉駅前の広場にある転車台。本来は「SL大樹」のC11 207号機を転回しますが、今回はDE10北斗星カラーが転回するという事で、さっそく転車台の前へ。
しばらくすると、向こうからDE10北斗星カラーがやってきました!
ドーンと転車台に乗って、回転!
DEテン!回転! pic.twitter.com/R9qkwb8VYk
— マサテツ (@masatetsudo) 2020年8月30日
手を振る運転士さん。サービス満点!
真正面に来た!
本当ならDLは転回しなくても良いのですが、今回はサービスで回転してくれました。
360度回転したDL10北斗星カラーは、再び引き上げて行きました。
ホームに取り残された14系客車。
向こうからやってきたDE10北斗星カラー。DL大樹は折り返し下今市へ行くため、浅草方に機関車を付け替えます。
駅係員の誘導で、客車の前で一旦停止。
連結の準備。
再び係員の誘導で、ゆっくり前進。
連結!
今度は短い方が先頭になった「DL大樹」(こっちは"2エンド"って言うんだって)。
6時間30分の客車旅もまもなく終点
客車の窓から見るDE10。この光景も客車ならでは。
鬼怒川温泉駅で購入した「鬼怒川サイダー」。終点の下今市まではあと35分。
DL大樹に乗車してから6時間が過ぎ、さすがに皆さんもお疲れなのか車内は静かに。
聞こえてくるのは、リズミカルなレールの継ぎ目音のみ。
DL大樹の旅もまもなく終点です。
17時23分、定刻より約5分遅れで終点「下今市駅」に到着。
「SL大樹」は、2020年12月から真岡鐵道から譲渡された「C11 325号機」を加えて2機体制へ。さらに、新たに東武日光〜下今市間でもSL運行を開始。名称は「SL大樹 ふたら」と発表されました。
毎年新たな話題を提供し続けている、東武鉄道の「SL大樹」には要注目。これからも楽しみです!