木のおもちゃで溢れた「おもちゃ列車」でいただくイタリアンのフルコース。由利高原鉄道の「レストラン列車」に乗ってきました!
*2022年10月の情報を基に作成しています
お得なフリー乗車券で矢島へ
今回乗車する「レストラン列車」は「矢島駅」からスタート。まずはJR羽越本線と接続する「羽後本荘駅」から「矢島駅」を目指します。
窓口で1100円のフリー乗車券を購入。すると「また乗りに来て下さいね」と、来年3月末まで有効のフリー乗車券をくれてびっくり。大盤振る舞いすぎる(笑)また乗りに来ないといけませんね。
ホームに降りると、すでに列車が止まっていました。
おばこと鳥海山を模したロゴマーク。「おばこ」は秋田弁で「娘」の意味だそう。
秋田犬と男の子のロゴ。よーく見ると「AKITA」の「A」になってる!
車体の色、ロゴマーク、シートのモケットまで、何もかもかわいい車両。
そんなかわいい列車に乗って約40分。列車は終点の「矢島駅」に到着。
待合室では、由利本荘市のご当地キャラクター「松皮カンナ」がお出迎え。
手作り感溢れる飾りつけがかわいい!もうすぐハロウィンですね。
「矢島駅」の売店には名物おばあちゃんのまつ子さんがいらっしゃいます。まつ子さん直筆の鉄印は大人気です。
木のおもちゃで溢れたおもちゃ列車
待合室で受付を済ませてホームへ。止まっていたのは、かわいいおもちゃ列車!
ヘッドマークには「なかよしこよし」の文字が。この「おもちゃ列車」は2018年から運行をスタート。テーマは『列車に乗った瞬間…そこはもう「おもちゃ美術館」』「鮎川駅」が最寄りの「鳥海山木のおもちゃ美術館」をデザインされた方が手がけたそう。では、車内へ。
すごーい!木で溢れてる!かわいい!
車両の一角には、木のおもちゃで遊べるスペースが!
木のプール!
木のおもちゃもいっぱい!こんなに楽しい列車に乗っておもちゃ美術館に行けば、子どもたちもいい思い出になるだろうなー!
「affetto AKITA」のイタリアンコース
それでは自分の席へ。テーブルにはすでにカトラリーとお皿の用意がされていました。
今回のレストラン列車は、由利本荘市にある「affetto AKITA」のイタリアンコース。東京・麻布台の人気レストラン「Affetto」で腕を振るった村上シェフが実際に列車に乗車し、料理を振る舞います。
まずは白ワインで乾杯!
[バターナッツかぼちゃのフラン]
「フラン」とは、いわゆる洋風茶碗蒸しのこと。矢島町産のバターナッツかぼちゃと地元で採れた卵を使ったフラン。ほんのり塩気が効いていて、かぼちゃの優しい甘さを引き立てます。上にはムースの他に水牛のモッツァレラチーズもトッピングされていて、味と食感のいいアクセント。
[金浦産鯵と焼茄子のテリーナ サルサヴェルデ]
にかほ市金浦町の金浦漁港で水揚げされた鯵を、3日間寝かせて酢締めに。直火で焼いた焼茄子とともにテリーヌに。「サルサヴェルデ」は「緑のサルサソース」と言う意味。パセリベースのソースと枝豆のクレマ、2つの鮮やかなグリーンが鯵の旨みとマッチします。
[鰆のロースト 地元野菜の菜園風 春菊とアンチョビのソース ボッタルガ添え]
秋田らしく曲げわっぱの容器で出された3品目。蓋をオープンすると…
「菜園風」の名の通り、緑の野菜たちに包まれた鰆の姿が。硬くならずしっとり柔らかい鰆に、春菊とアンチョビのソースが絡みます。「ボッタルガ」とは、ボラやマグロの卵巣を塩漬けし乾燥させた、イタリアのカラスミ。このボッタルガの塩気がいい味を出してます。
ここで、お料理が作られている様子を少し見学。
カウンターにぎっしりお皿を並べ、揺れる車内で丁寧に盛り付ける姿。普段立つキッチンとは全く違う環境ですが、味も見た目も素晴らしいお料理ばかりが出てきて本当に凄い!まさに、走るレストランです!
[手打ちパスタ タリアテッレ 皆瀬牛と鳥海町天然舞茸のラグー]
タリアテッレは厚さ1mm幅5mm前後の平打ちパスタ。そこに絡むのは、肉や野菜などを煮込んで作るラグーソースです。秋田の市場でもほとんど出回らず、幻のブランド牛とも言われる皆瀬牛を贅沢に使用。ゴロッと大きな塊の肉は柔らかくて旨みが濃厚。鳥海町で採れた貴重な天然舞茸は、濃厚なソースに負けないぐらいの香りが広がります。
[鹿角ポーク 肩ロースのロースト 豊島ファームの赤ワインソース]
秋田県の北部、鹿角市で生産される鹿角ポークの肩ロースの部位をロースト。列車の中という制約上熱々とはいかないものの、硬くなくてしっとり柔らかい食感。脂の甘みと赤身の旨みの部分のバランスが最高です!ソースは由利本荘市にあるワイナリー、豊島ファームの赤ワインを使用。芳醇な香りが肉の美味しさを引き立てます。
[栗のティラミス]
最後は「クラシックな作り方で調理した」という、栗のティラミス。栗のムースに、蒸した栗の削り節まで。栗の味わいがいっぱいに広がって、お口の中はしあわせ!
貴重なタブレット交換
列車は子吉川に沿って走ります。夏には鮎が遡上して、鮎漁の解禁中は釣り人で賑わうのだそう。
この辺りは風が強く吹くそうで、山の向こうには風力発電所の姿が。天気が良ければ鳥海山を望むことができるそうですが、残念ながらこの日は雲の向こう。
列車は「前郷駅」に到着。由利鉄線内で唯一列車の交換ができる「前郷駅」では、貴重なタブレット交換の姿が見られます。タブレット閉塞が残るのは、日本ではわずか3線なのだそう。大きいなタブレットと小さなスタフの2種類を使って閉塞を構成しています。
発車から1時間30分。列車は再び「矢島駅」に戻ってきました。ホームではまつ子さんがお出迎え!
由利高原鉄道の「レストラン列車」。想像以上にお料理が美味しくてボリュームも満足。人数が少ないにも関わらずスタッフさんも丁寧に接客されて好印象。楽しいひと時でした!開催日は少ないですが、機会があればぜひ訪れてみては!
この日は由利高原鉄道の社長さんも直々にいらしていて、今後のお話もちょこっと教えてもらいました。また来なくちゃ!
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