世界遺産を有する高野山と難波を結ぶ南海高野線。中でも山岳区間である橋本〜極楽橋間を走る観光列車「天空」に乗ってきました。
*2020年4月の情報を基に作成しています
急行に乗って橋本駅へ
「天空」の始発駅「橋本駅」までは、難波から急行または快速急行で。
列車は「極楽橋駅」が終点ですが、その先はケーブルカーが「高野山駅」まで連絡しているので、行先は「高野山(小さく極楽橋)」。
ホーム上の案内も同じく「高野山」。
急行はほとんどの車両がロングシートなのが残念。ですが、2扉の「2100系」が来たらラッキー。車端部はボックスシートになっているのでおすすめです。
ちなみに高野線といえば「特急こうや」に乗って橋本まで行きたいところですが、残念ながら「天空」との接続は考慮されていません。
「橋本駅」に到着。
天空に乗る前に、まずは指定席券の引換を。
あらかじめ電話予約ののち、ホームにある引換所で指定席券と引換えます。ちなみに、席が残っていれば当日購入も可能。
ズームカーが観光列車に変身
指定席券の引換をしている間に、ホームには高野山行き「天空」が到着!
山岳区間の森林をイメージした緑に、高野山にある根本大塔をイメージした朱色のラインが入ったボディ。
先頭には10周年の記念ヘッドマーク。
行先表示は特別なやつ。
これから最大で50‰という急勾配を走る「天空」。
使用される車両は、1970年に製造したズームカー22013-22014号車。ズームカーとは、橋本〜極楽橋間を走るために山岳仕様を施した車両のこと。
ではさっそく列車に乗り込みます!
おぉー!座席が全部右側に向いてる!
高野線で一番景色の良い、極楽橋に向かって右側に向かって座席が並んでいます。
前にカウンターがある窓際の座席に座ると、大きな窓から景色が一望!
後ろのピンク色の座席は一段高くなっているので、前に人が座っていても車窓が眺めやすい!
おもしろいカタチの窓から、桜の木がチラリ。
標高差443m、最大50‰の勾配を登る山岳区間
列車は橋本駅を出発。さっそく坂をぐんぐん登っていきますが、まだまだ序の口。
まだ家並みが近く見えますが…
下古沢を通過したあたりから、家や谷底ははるか下に。
もう木の緑しか見えない。
キーキーと音を立てながら、すごい勾配とすごいカーブをゆっくりと走る「天空」。

「天空」の一番の魅力が、2両目の最後部にある展望デッキ。
どんな感じかというと、元は扉があった所を、扉全開のまま走ってるようなイメージ。
そう!こんな感じ!
窓がないから風がビュンビュン!
ガラス越しの景色とは全く違って見える!高野山の自然を全身で感じることができるのが、この展望デッキ。特に夏は気持ちいいだろうなー。
山の中にポツリとある駅、まさに秘境駅。
朱塗りの鮮やかな橋「極楽橋」が見えてきたら、天空の終点「極楽橋駅」に到着。
高野線の看板列車、特急「こうや」と「天空」。
標高92mだった橋本駅から、わずか45分で標高535mまで登ってきました。
新型ケーブルカーで一気に標高867mへ
連絡通路から極楽橋と桜を眺めながら、ケーブルカー乗り場へ。

極楽橋から高野山までは、このケーブルカーに乗ります!
2019年3月にデビューした新しいケーブルカー。ヨーロッパ風のスタイリッシュな外観と木のぬくもりを感じる、和洋折衷なデザインが特徴です。
高野山ケーブルの最大勾配は562.8‰。わずか0.8kmの距離で328mも登るのです。
だから車内はこんなに急斜面。
先に見える線路もこんなに急斜面。
「ブーッ」とブザーの合図のあと、ケーブルカーは出発。
どんどん小さくなっていく駅。
途中で下りケーブルカーとすれ違い。
急勾配とカーブのある線路をぐんぐん…
ぐんぐん登り…
約5分で終点の「高野山駅」に到着。
駅のホームから線路をチラリ。この急勾配を登ってきたんですね。ケーブルカーってすごい!
「高野山駅」は2015年に、高野山開創1200年記念大法会に合わせてリニューアル。外観は昭和5年の開業当時の姿が復元されました。
2階には休憩室や資料展示コーナーが。
特に展望室は絶景!コーヒーでも飲みながらのんびりしたい気分になりますね!
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