マサテツ〜食べ鉄旅日記〜

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真岡鐵道の「SLもおか」|いちごと焼き物のまちを走る蒸気機関車

鉄道コム

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茨城県と栃木県を跨る真岡鐵道で、週末を中心に運行されるSL列車「SLもおか」に乗ってきました!

*2022年2月の情報を基に作成しています

発車前の入換作業は必見

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真岡鐵道は茨城県の下館駅から栃木県の茂木駅間を走る第三セクター鉄道。途中日本一のいちごのまちとして有名な真岡や、益子焼で有名な益子を経由する全長41.9kmの路線です。
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真岡鐵道は「下館駅」の1番線から発車します。「SLもおか」の発車は10時35分ですが、入線時刻はかなり早く、さらに入換作業があるという情報を事前に入手。発車の1時間前には到着しました。

9時56分。ディーゼル機関車「DE10 1535号機」を先頭に「SLもおか」が入線!
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茂木方には本日の主役「C12 66号機」の姿が。しかしまだこの時点ではアイドリング状態。
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しばらくすると、係員さんが入換合図を現示。
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「SLもおか」はバックで一旦ホームを離れて行きます。
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再びディーゼル機関車を先頭に、今度はホームのない留置線に入線。
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ここでディーゼル機関車を解放。
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「DE10 1535号機」はエンジンを切り、夕方の出番までここで待機となります。
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ディーゼル機関車を解放し、ようやくSLと客車3両の「SLもおか」が完成。

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「SLもおか」が留置線にいる間に、ホームには折返し10時17分の普通列車が到着。
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「下館駅」には転車台がなく、さらに先発する普通列車のため、このように複雑な入換作業が行われるのです。

米寿を迎えたC12 66号機

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「SLもおか」を牽引する「C12 66号機」。製造は1933年。九州鹿児島や東北地方などを走り、1972年に廃車。廃車後は福島県で動態保存されていましたが、1994年からここ真岡鐵道で復活。この日は2021年で製造から88年の米寿を迎えたことを記念して、赤いナンバープレートが掲げられていました。
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普通列車が発車すると、いよいよ「SLもおか」がホームに入線。
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猛烈に水蒸気を出しながらゆっくりと動き出すSL。迫力が凄い!
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ポイントを切り替え。
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入換進行。
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ゆっくりとバックでホームへ。

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ホームに到着した「SLもおか」。間近で蒸気機関車をみると、窯から伝わる熱が全身に感じられます。
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真っ黒なボディは美しく磨き上げられ、米寿を記念した赤いナンバープレートがひときわ輝いて見えます。
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機関室を覗くと、窯の中で真っ赤に燃える炎がちらり。

原形を残す貴重な50系客車

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「SLもおか」は「50系」という国鉄で開発された客車を3両連結。
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真っ赤なボディから「レッドトレイン」とも呼ばれていた「50系」ですが、客車列車の減少とともに数を減らし、今や貴重な存在です。
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「SLもおか」に乗車するには、2日前までにネットで予約が必要。当日券はありません。座席は指定されておらず、好きな席に座る事ができます。では、車内へ。

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ずらりと並んだボックスシート。デッキの前がロングシートになっているのは「50系」が通勤通学の足としても使われていた証拠。
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真岡鐵道の「50系」はほとんど改造されておらず、当時の姿が残っているのはとてもめずらしいのだそう。
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冷房は付いておらず、天井には扇風機。暖房は、蒸気機関車から発生する蒸気を利用したもの。
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茂木方の3号車だけは雰囲気が違い、床から座席、天井に至るまで、いちご尽くしな装飾が施されています。
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いちご車両は家族連れに大人気。早々に席が埋まっていました。
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貫通扉の窓の向こうには「C12 66号機」の姿。後ろ姿も頼もしい。

芳賀路をひた走るSLもおか

10時35分。汽笛一声とともに「SLもおか」はゆっくりとホームを離れます。

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水戸線と別れ、一路茂木へ。
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車窓にはのどかな田園風景。蒸気機関車から流れる黒い煙を見ると、改めてSL列車に乗っている事を感じさせてくれます。
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この日は天気も良く、沿線には多くのカメラマンの姿が。
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しばらくすると車内改札がスタート。車掌さんから硬券の形をした乗車記念証を受け取ります。
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「SLもおか」は「真岡駅」に到着。ここで約10分間停車します。背後にそびえるのはSLの姿を模した「真岡駅」の駅舎。駅前にある「SLキューロク館」では、大正の名機とも呼ばれるキューロクこと9600形蒸気機関車や、SLの代名詞デゴイチことD51形蒸気機関車が保存されています。

www.masatetsudo.com

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次は「西田井駅」。列車の行き違いのため、ここでも約5分間停車。
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「西田井駅」には構内踏切があり、SLの姿を正面から捉える事ができます。
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小貝川を渡ると、益子焼で有名な益子のまちへ。
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「益子駅」に到着。真岡鐵道でも有数の観光地で、ここで降りる乗客も多く見られます。
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右側に「道の駅もてぎ」が見えてきました。多くの人がカメラを構えてSLの姿を収めています。

SLを間近で観察

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下館から約1時間30分。「SLもおか」は終点「茂木駅」に到着。SLの前は写真撮影の人でいっぱいに。
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到着してひと息つく暇もなく、列車はバックしてホームを離れていきます。この後は客車を切り離し、転車台で向きを変えるのです。

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見学通路まで行くと目の前で転車台を見る事ができます。
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客車を切り離したSLが近づいてきました。
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ゆっくりと転車台へ。
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転車台を回転!SLの一大イベントですね!
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ぐるり180度回転し進行方向が下館向きに。再び下館方へ引き上げ。
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SLのメンテナンス作業が始まりました。
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タンクの上では石炭を整備。ホースが繋がれて給水。車体の底からは燃えかすのような灰と水が。メンテナンスの様子がホームから目の前で観察できます。
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ホームを離れて、駅舎の2階にある展望デッキへ。

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茂木駅の構内を一望でき、SLをメンテナンスする様子や転車台を真上から見る事ができます。
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SLのメンテナンスが終わったよう。係員の入換合図でゆっくりと動き出すSL。
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バックで転車台を通り過ぎ、転車台横にある見学通路の前で停止。
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SLはようやくここで小休止。

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再び見学通路へ移動。
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手が届きそうなぐらいに、間近でSLを観察する事ができます!凄い!
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目の前で見る動輪はデカい!迫力満点!
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配管から吹き出す水蒸気。まさにSLは生き物です。
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係員さんが油を差しているところ。
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こうやって下からSLを見上げるなんて、なかなかできません。
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普段なら客車で隠れているお尻もよく見えます。「C12 66号機」はタンク式蒸気機関車。水・石炭は機関室後ろのタンクに積載します。
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真横から見たSL。黒光りする無骨な姿がまた良いですね。

タカギ商店で絶品ハンバーグランチ

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復路の「SLもおか」までは2時間20分あります。時刻はちょうどランチ時。近くでランチとしましょう。
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やってきたのは「茂木駅」のすぐそばにある「タカギ商店」。
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茂木町で人気の洋食屋さん。ハヤシライスやビーフシチューなど、魅力的なメニューが並んで迷っちゃう。
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迷いに迷ってオーダーしたのはハンバーグ!「ハンバーグA」は1枚180g。ちなみにBは230g、Cは300gとボリューム満点です。
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ラグビーボールのような形に成形された、めずらしいスタイル。程よくスパイスが効いて肉汁もたっぷり。ビターな感じのデミグラスもいい感じ!
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古代米入りの香り高いライス。
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添えられたグリル野菜は地元茂木産の無農薬野菜だそう。どれも甘さ際立ち、野菜の美味しさがストレートに感じられます!他にもサラダ、食後にコーヒーか紅茶がセット。美味しかった!

復路のSLもおか

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再び「茂木駅」に戻ってきました。SLはすでに下館方に連結されています。
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14時11分発の普通列車が発車後「SLもおか」はゆっくりとバックで入線。
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もくもくと真っ黒な煙をあげるSL。いよいよ復路の発車です!

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遠くに見えるのは筑波山でしょうか。いい天気でよかった!
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「SLもおか」は「真岡駅」に到着。ここでしばらく小休止。
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再び巨大SL駅舎と並びました。デカすぎてカメラに収まりきらない!

国鉄時代を彷彿とさせる客車普通列車

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15時56分。「SLもおか」は終点「下館駅」に到着。しかし、列車はひと息つく暇もなく折返しの準備に取り掛かります。ここで、朝から待機していたディーゼル機関車の出番。早速入換を開始。
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ゆっくりとホームへバックする機関車。
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列車の茂木方に連結しました!到着から発車までの時間は僅か7分。係員さんのテキパキした動きで見事定時。
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ここから「真岡駅」までは、乗車券だけで乗れる普通列車として運転。
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国鉄時代を彷彿とさせる客車普通列車の旅が始まるのです。

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真岡までは約30分。「SLもおか」の1日はここで終了。
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夕陽に照らされるSL。
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真岡から先はキハへバトンタッチ。客車列車とキハが縦列駐車する、めずらしい光景が見られます。

米寿を迎えたC12 66号機は、これからも元気に走り続けてくれそう。皆さんもぜひ「SLもおか」に乗車してみては!

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真岡鐵道公式サイト

www.moka-railway.co.jp