マサテツ〜食べ鉄旅日記〜

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西日本鉄道の「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO (ザレールキッチンチクゴ)」|日本で唯一「ピザ窯」をのせたレストラン列車

鉄道コム

九州の大手私鉄「西日本鉄道」が運行するレストラン列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO (ザレールキッチンチクゴ)」に乗ってきました。

コンセプトは「誰かの家に招かれたかのように落ち着く場所」

旅のスタートは「大牟田駅」。ホームにはすでに「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO (ザレールキッチンチクゴ)」(以下レールキッチン)は停車していました。

「6050形」という、左右非対称の顔が特徴的な通勤形車両を改造。

何の変哲もない通勤電車は、白い車体にキッチンクロスをイメージした赤いチェック柄のおしゃれな列車に大変身!

ロゴや号車表示もグラフィックが細かく表現されていておしゃれ!

ホームにはメニューが書かれた黒板とベンチなどが置かれた、マルシェのような雰囲気。レールキッチンとの記念撮影はぜひここで。

では車内へ。

これが列車の中とは思えない!

煌びやかすぎない落ち着いた空間。椅子やテーブルは家具の町として知られる大川市で制作、天井には八女の竹を使用した竹編み生地、壁面には久留米市で作られる城島瓦を貼るなど、沿線の伝統工芸品をふんだんにちりばめたインテリア。

筑後の食材をふんだんに使ったディナー

席に着くと、早速ウェルカムドリンクから。私は諸事情でアルコールは楽しめないので、季節のフルーツジュースを。

ちなみにこの日のアルコールドリンクは「あまおうプレミアムスパークリングワイン」。

竹の皮に包まれたアミューズが運ばれてきました。

中から出てきたのは、はかた地どりの鶏レバーを使用したクロスティーニ。うきは市産オリーブの身の塩漬けは生ハムとともに。

2品目はベジタブルプレート。
奥に見える、粒々が集まったおもしろい見た目の野菜は「ロマネスコ」と言って、三猪町産のもの。コリコリと食感がよく、味はブロッコリーっぽいのかな?初めて食べる野菜でしたが、なかなか美味でした。
八女市産の甘くて果汁たっぷりのみかん「華たちばな」を使用した「みかんのサラダ」。鷹の爪や赤ワインビネガーの香りがとってもよく合います。

柳川市産の新開じゃがいもと春菊が入ったジェノベーゼソース。甘くてホクホク!

ミートプレートは「アリスタ」と呼ばれる豚肉のローストで、イタリア・フィレンツェの名物料理なのだそう。
こちらは『リバーワイルドハムファクトリー』の豚肩ロースを使用。肉も脂もとっても甘くて柔らかい!アリスタの中には菜花やかぶの葉も隠れていて、アリスタとの相性も抜群です。

車内の窯で焼きたてのピザ

ところで、3両編成のレールキッチンのうち2号車には大型キッチンを設けており、ここでコース料理が用意され各テーブルへ運ばれて行きます。
中でも、列車内に「電気窯」が設置されているのは日本初の試みで、メインディッシュには窯料理で人気を集めるイタリアンレストラン『エンボカ』のシェフが監修したピザが頂けるのです。

SEASONAL LIMITED PIZZA(季節のピザ)。小麦の風味が強くモチモチとした生地に、沿線の野菜をのせたピザ。
手前は「博多新ごぼう」という、えぐみが少なくて柔らかいごぼうに、玉葱とモッツァレラを合わせたピザ。
奥は「博多な花おいしい菜」と柚子味噌を合わせた、菜花の苦みと柚子の香りが絶妙にマッチしたピザ。どちらも野菜の美味しさが存分に引き出されていて絶品でした!

最後のデザートは「LES TROIS CHOCOLATS (レトロワショコラ) × Chocolate Shop (チョコレートショップ)」のチョコレート3種盛りと、八女市の中村園のハーブティー。

美味しい食事と車内でのひと時に特化した列車

車内では福岡を中心に活躍されているクラリネット奏者「COZY-ASH」さんによる演奏。美味しいディナーと音楽を楽しむ旅は、思い出に深く刻まれる事でしょう。

窓越しに駅の方とのコミュニケーション。絶景は無けれど、心温まるもてなしはとっても印象に残っています。

レールキッチンが走るのは、西鉄のメイン路線「天神大牟田線」。多くの人が利用する通勤路線ですが、決して景観を楽しむ要素はほとんどありません。
だからこそ、レールキッチンは食事と車内でのひと時に特化してきます。有明海に面した筑後平野を走る西鉄沿線の農業漁業と盛んなものづくり、つまり「食と工芸を詰め込んだレストラン列車」なのです。

レールキッチンは「花畑駅」で小休止。途中唯一扉が開いてホームに降りる事ができます。

花畑の駅名の如く駅名板にはお花がたっぷり(笑)

ホームには薔薇の花。ホームはきれいな花であふれていました。

大牟田から2時間30分。同じ区間を走る特急列車の倍の時間をかけてゆっくり走ってきたレールキッチンは、通勤客があふれる「西鉄福岡(天神)駅」に到着。
通勤ラッシュの駅に到着する観光列車なんてなかなか無いと思いますが、多くの人から注目を集めるからこそ、地元の人にも注目され乗ってもらうきっかけになるのかもしれません。

www.railkitchen.jp