群馬県を走る「上毛電気鉄道」の運転体験に参加。上毛電気鉄道の主力車両「700形」を運転。さらに歴史的に貴重な鉄道遺産を保存する大胡車庫も見学してきました!
*2021年7月の情報を基に作成しています
- 上毛鉄道の中枢、大胡車庫へ
- 元京王井の頭線の700形
- 運転士さんになりきって運転体験
- 運転体験だけじゃないイベントの数々
- 開業当時の車庫を見学
- 今も現役で走る!デハ101とデキ3021
- ボリュームたっぷり車庫弁
- 最後は修了証を頂いて終了
- 関連リンク
上毛鉄道の中枢、大胡車庫へ
運転体験ツアーの集合場所「赤城駅」へは東武特急「りょうもう」号で浅草・北千住から乗り換えなし。
駅では特製の看板がお出迎え!まずは電車に乗って、上毛電気鉄道の車庫がある「大胡駅」へと移動します。
「大胡駅」に着きました!奥に見えるのが車庫です。
歴史がありそうな駅舎を抜けて、一路車庫へ!
なんと「ピーピー」と、デキの汽笛を鳴らしながらのお出迎え!早速の演出に感激です!
「大胡車庫」に着きました!ここでは上毛電気鉄道を走るすべての車両のメンテナンスをしています。
元京王井の頭線の700形
今回運転体験する車両は「700形」という電車。上毛電気鉄道はすべてがこの「700形」で運転されています。元は京王井の頭線を走っていた「3000系」で、1998(平成10)年から上毛電気鉄道にやってきました。正面のFRPの部分は車両毎に異なるカラー。全8色が上州路を駆け抜けます!
運転体験の前に、まずはお勉強から。
テキストを見ながら上毛電気鉄道の歴史、電車が動く仕組み、機器の名前、電車の動かし方などを学びます。
文字がいっぱいで難しそうですが、わかりやすく教えてくれますよ!
運転士さんになりきって運転体験
さぁ、いよいよ「700形」を運転します!
その前に、まずは"格好"から運転士さん気分になりましょう。大人用から子ども用まで、本物の制服が用意されています。
制帽も被れば、気分は運転士!
本物の運転席に座ります。おぉー、すごい!
運転できるのは片道120mで、これを2往復。
「停」と書かれた停止位置目標にぴったり止められるか!?
信号が「赤」から…
「青」に変わりました!「知らせ灯よし、出発進行!」
マスコンを1ノッチ。ガタンと電車が動き出した瞬間は感激!時速10kmを維持しながら停止位置目標へ。
上毛電気鉄道の700形運転体験。制服を着させて頂いて気分は運転士!止まる時のブレーキ操作が一番難しい! pic.twitter.com/RMHaXqhH9F
— マサテツ (@masatetsudo) 2021年7月17日
一番難しいのが電車を止める時。ブレーキをかけるタイミングや強さ。改めてプロの運転士さんの凄さを感じました。
参加者の中には、なんと何十回と運転体験されている方も何名かいらっしゃいました。手際良く発車の準備、そしてスムーズなブレーキ捌きでびっくり!
運転体験だけじゃないイベントの数々
運転体験以外にもう一つお楽しみなのが、車掌体験。用意された台本でもいいし、自分の好きな路線でもいいし、往復4回車内放送が体験できるのです!
私も車掌さん気分で放送!
運転体験の時間以外にも色々とイベントが用意されていました。まずは、軌道自転車体験。
その名の通り、軌道つまり線路を走る自転車。点検する際などに使われるそう。
漕ぎ始めは重たいですが、動き出すと意外とスーッと走ります。
ただしバックはできないので、帰りは人力。
続いては、シュミレーター体験。
本物の前面展望の映像を観ながら運転!
開業当時の車庫を見学
車庫の中も見学させて頂きました。
この「大胡車庫」は、なんと1928(昭和3)年の開業当時に建設されたのだそう。今でも当時の姿をそのまま残し、国の登録有形文化財にも指定されています。
線路の下は、実はこんな感じ。車両を点検するために、下に潜れるようになっているのです。
電車の抵抗器が目の前。熱を発するので、走行中はなんと数百℃にもなるそう。
車庫の奥に止まっている電車は「デハ104」。かつては上毛電気鉄道で走っていた電車で、現在は静態保存されています。
車内は運行していた当時のまま。かつては、窓が割れてしまいそうなぐらい多くの乗客を乗せていたのだそう。コロナ禍で乗客も減っているそうですが、なんとか頑張ってほしいものです。
車庫の中にある、工作室と呼ばれる一室。今は使われていませんが、かつてはここで電車の部品を作ってたのだそう。
凄いのが、今でもベルト駆動の機械が動かせるのです!大きなモーターから各機械へ伸びるベルト。稼働状態になっているのはかなり貴重なのだそう。
柱に使われているレールは、なんと満州からやってきた(かもしれない)レール。車庫と言うより、もはや博物館です!
車庫を離れて今度は小さな小屋の中へ。ここは、かつて上毛電気鉄道で使われていたレアなアイテムで埋め尽くされています!
昔の電車が写った貴重な写真。
電車を飾ったヘッドマークたち。
タブレット閉塞の機械まで。まるで小さな鉄道博物館!
今も現役で走る!デハ101とデキ3021
車庫の外に出てきました。外の線路にも貴重な車両が留め置かれています。
奥に見えるのが、東武鉄道で使われていた貨車。1928(昭和3)年製の「テ241」。車庫と同じ世代ですね!
凸型の電気機関車は「デキ3021」。こちらは1929(昭和4)年製。
東京横浜電鉄、今の東急東横線で活躍した電気機関車。こちらはなんと運転体験で動かす事ができるのです!今度はデキを運転してみたい!
車庫と同じく、上毛電気鉄道開業時の1928(昭和3)年に製造された「デハ101」。車庫の中で見学した「デハ104」と同じ車両ですが、こちらは開業時のぶどう2号に塗られています。
武骨な車体がなんとも味がある電車。なんと今でも貸切やイベント等で本線上を走るのです!戦前の電車が未だに現役だなんて、すごくないですか!?
開業時の姿に復元された車内。「デハ104」の車内で見た白いペンキはきれいに剥がされてニス塗りに。
板張りの床。
荷物棚や座席の裾の凝った造形。当時のお洒落なセンスがうかがえます。
色使いもモダンで素敵。
当時もこのように中吊り広告が吊られていたのかな?
「昭和参年」と書かれた銘板。神戸の川重で作られたみたい。
「デハ101」。
レトロ文字。
ハンドル?かと思いきや、回すとブレーキがかかるのだそう。
いつか、動く「デハ101」に乗ってみたいです!
ボリュームたっぷり車庫弁
お弁当タイム!用意されていたのは運転体験参加者しか食べられない、その名も「車庫弁」。
ソースヒレカツ丼に豚肉の生姜焼き丼。ボリュームがすごい!!
お肉1枚1枚がすごく大きい!生姜タレの風味がちょうどいい塩梅。濃厚なソースがたっぷりかかったヒレカツは、冷めていても柔らかい!美味しい!
最後は修了証を頂いて終了
最後は修了証を頂いて運転体験は終了。運転席に座るとドキドキ緊張しましたが、いざ電車が動き出すとドキドキが感動に変わりました。小学生ぐらいの子どももたくさん参加されていたので、家族でおでかけにもいいですね。休憩中も自由に車庫内を見学ができ、運転体験以外の時間も楽しめました。
上毛電気鉄道の運転体験は定期的に開催されています。詳しくは公式サイトをチェックして下さい!
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