かつて四国の予讃線を走った急行列車が2日限りで復活!キハ47形気動車でゆく復刻「いよ号」の旅へ行ってきました!
*2022年5月の情報を基に作成しています
いすみ鉄道からのヘッドマーク返還式
今回の旅は、1日目は松山行き「いよ号」2日目は高松行き「うわじま号」として運転される復刻急行列車に乗車する2日間の旅。
「高松駅」に今回の主役「キハ47」が入線!
赤色を纏った「キハ47」。これは首都圏色と言って、国鉄時代の気動車の標準色だったカラーリング。JR四国を走る「キハ47」のうち2両だけが、懐かしの首都圏色に塗られています。
「いよ号」の発車前にホームで始まったのは、ヘッドマーク返還式。
昨年10月から「いすみ鉄道」に貸し出されていたヘッドマークがJR四国に返還。
返還されたヘッドマークはそのまま「キハ47」に取り付けられて、いよいよ発車の時!
「いすみ鉄道」に貸し出されていた「急行いよ」のヘッドマーク。いよ・うわじまの切り替え式になっていて、本のようにめくると「急行うわじま」の文字が現れるのです。
高松方に取り付けられたのは、もっと古い時代に取り付けられていた、年季の入ったヘッドマーク。地の色が単色で切り替え式ではないのがわかります。
特急街道の予讃線を疾走
それでは松山まで約6時間半、復刻「いよ号」の旅の出発です!
ボックスシートと、ドア付近はロングシートの車内。
天井には懐かしの扇風機。
特急とマリンライナーが行き交う予讃線。ダイヤの合間を縫って走る「いよ号」は全力疾走。エンジンの重低音と振動が床下から響きます。
「鴨川駅」で特急と快速の通過待ち。雨は降らずとも、どんよりした曇り空。
車窓の向こうには瀬戸大橋とデルタ線。
「丸亀駅」で運転停車。行き先案内には団体臨時列車の文字が。
讃岐富士が望めるはずですが、今日は雲の中。
千年ものがたりと縦列停車
「いよ号」は「多度津駅」に到着。ここでは25分停車。
「多度津駅」で待っていたのは、LED職人による行き先案内。
LEDにはなんと「急行いよ1号」の文字!
しばらくすると、高松方からゆっくりとやってきたのは「四国まんなか千年ものがたり」。
「キハ47」と千年が縦列停車!なんて粋な演出!
千年に乗り込むアテンダントさん。「四国まんなか千年ものがたり」は、土讃線の多度津〜大歩危間を走る観光列車。また乗りたいなー。
単線区間のダイヤの合間を縫って走るいよ号
「しおかぜ」に先を譲り、まもなく発車時間。
車窓には瀬戸内海が見えてきた!穏やかで美しい海を望みながら、列車は順調に走ります。
海岸寺、詫間と続けて停車。まるで普通列車のような停車駅で走る「いよ号」。
特急や普通列車と行き違い通過待ちしながら、「急行」は「急いで行く」ことなく松山を目指します。
「詫間駅」で見つけたのは水飲み場。かつては多くの駅にあった水飲み場も、自動販売機の普及で激減。貴重な水飲み場と「キハ47」の姿は、まさに国鉄時代の姿。
ベンチについた古い看板も、味があっていいですね。
「いよ号」は「高瀬駅」に到着。
ここでは40分のバカ停。
時間があるので、駅の外に出てみました。平屋建ての駅舎の中に「チンパンジー」という洋食屋さんを発見。オムライスとカレーがメインみたい。今度は立ち寄ってみたいな!
40分の間に、普通列車と「しおかぜ」に先を譲ります。
「観音寺駅」に到着。
観音寺市といえば、白砂に描かれた寛永通宝が有名。
ワンマン運転用のミラーに映る「キハ47形」。
観音寺駅を発車するキハ40系「いよ号」。DMH15の原形エンジンの重低音が響く。エンジンを吹かしてから動き出すまでのタイムラグ、変速する時の振動、すべてが国鉄時代そのまま。 pic.twitter.com/4N7Wm8B747
— マサテツ (@masatetsudo) 2022年5月14日
「8600系」の「しおかぜ」と行き違い。ここまで定刻で順調な運転。
豪華なノベルティグッズ
時刻は11時を過ぎ、少し早めのランチタイム。用意された駅弁には、なんと「いよ号」の特製掛け紙が!すごい!
おぉー!美味しそう!岡山にある駅弁屋さん「三好野」謹製のあなごめし。香ばしく焼かれた穴子がうまい!おかずもいっぱいで、お腹パンパンです!
掛け紙以外にも、今回のツアーでは色々なノベルティをいただきました。まずは「いよ号」の急行券。よーく見ると、発行箇所が「伊予丸」になってる!伊予丸といえばかつての宇高連絡船。こんな所にも国鉄時代が再現されていて、細かな演出に感激!
こちらはなんとサボ!もちろんサイズは本物!
裏はこんな感じになってました。どこに飾ろうかな!
「中萩駅」に到着。
改札口から覗くキハの姿。味があっていいですね。
「伊予西条駅」に到着。
四国最高峰の石鎚山の登山口は、ここが下車駅。
特急停車駅の壬生川を通過し、列車は「伊予三芳駅」で停車。
建て替えられた、きれいな駅舎。
時刻は13時を過ぎ、列車は高架駅の「今治駅」に到着。
車窓にはしまなみ街道の姿が。
のどかな田園風景の中を快走する「いよ号」。停車時間は長いですが、駅間では気持ちよく飛ばします。
「伊予亀岡駅」。
まずは上り「しおかぜ」が停車。
続いて下り「アンパンマンしおかぜ」が通過。特急の行き違いを待ち、「いよ号」は再び歩みを進めます。
発車してしばらくすると、右手には太陽石油のコンビナート。夜になると明かりがきれいみたい。
車窓には再び瀬戸内海。天候は回復し青空が広がってきた!
いよいよ「いよ号」の旅も終盤へ。最後の停車駅「伊予和気駅」に到着。
洋風チックでおしゃれな駅舎。初代駅舎は昭和63年に火災で焼失し、現在の駅舎は平成2年に伊予鉄道の三津駅を模して建てられたのだそう。駅舎の中にはお好み焼き屋さんが入っていました。
高松から約6時間30分。復刻「いよ号」は「松山駅」に到着。
松山基地で撮影会
さて、復刻「いよ号」の旅はこれで終わりではありません。行き先案内には「松山基地」の文字が。旅はこのまま「キハ47」に乗車し松山基地へ。基地では「キハ47」の撮影会が開かれるのです!
前から「キハ54」がゆっくりとやってきた!
ここで前に「キハ54」を連結。
松山からは3両編成となり、松山基地へと向かいます。
ゆっくりとポイントを渡り、列車は松山基地に到着。
松山基地に降り立ちました!広ーい!
床下の機器も間近に見えます。多くの会社の「キハ47」はエンジンが取り替えられる中、JR四国の「キハ47」は国鉄時代から変わらない「DMH15HSA」と呼ばれるエンジンを搭載。今回の旅では原形エンジンのサウンドが楽しめるのも魅力なのでした!
「キハ47」を正面に。カッコいい!
隣には、同じく国鉄時代に製造された「キハ185」。
「キハ47」と「キハ185」が並び、撮影会はスタート!
撮影会恒例の幕回し。春に行われたダイヤ改正で幕を取り替えたそうで、讃岐津田は今回から追加されたのだとか。
続けて反対側へ。あれ!ヘッドマークが「よしの川」に変わってる!
しばらくするとヘッドマークを交換して「うわじま」に。
板をめくると現れたのは「いよ」。
最後は「土佐」。やっぱり国鉄顔にはヘッドマークが似合いますね!
時間はたっぷりあったので、基地の中も見学。
2020年に移転されたばかりで、まだまだ真新しい構内。
オレンジ色の転車台。
なぜか「8000系」の4号車だけが並んでる。
さて、楽しかった基地見学もそろそろ終わり。最後は再び「キハ47」と「キハ54」を連結。
連結作業を間近で見学。
連結が完了。列車に乗り込み、松山基地とお別れ。再び「松山駅」へと戻ります。
「松山駅」に到着し、復刻いよ・うわじま号の旅の1日目は終了。
道中は、少し窓を開けて貴重な原形エンジンの音を感じながら。特急街道の合間を縫って走る「キハ47」は終始高鳴るエンジン音を聞かせてくれました。次の日は復刻「うわじま号」に乗車し、高松を目指します!
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