現役最後の「キハ28」車両に乗って本格イタリアンコースがいただける。「いすみ鉄道」の「レストランキハ」に乗車してきました!
*2022年7月の情報を基に作成しています
- レストランキハのスタート地点、大多喜へ
- 現役最後の「キハ28」
- 国鉄時代の車内はレストラン仕様に
- 乗客全員で乾杯
- 「ペッシェ アズーロ」のイタリアンコース
- 大原駅で小休止
- 日本で最初に生まれたレストラン列車
- 関連リンク
レストランキハのスタート地点、大多喜へ
今回は「東京駅」から旅はスタート。9時ちょうどに発車する「わかしお3号」に乗車します。
「大原駅」で下車。ここから「いすみ鉄道」に乗り換えて「レストランキハ」の旅が始まる「大多喜駅」へ。ホームで待っていたのは、菜の花カラーのディーゼルカー。新型ですが、お顔は国鉄型の「キハ52」そっくりで、レトロな雰囲気も漂います。
現役最後の「キハ28」
「大多喜駅」で受付を済ませホームで待っていると、いよいよ本日の主役「キハ28」と「キハ52」の国鉄型気動車が入線!
国鉄時代に製造されて非電化区間の急行列車で活躍した「キハ28」。この「キハ28 2346号車」は、現役で走る最後の「キハ28」なのです。しかし先日、老朽化のため2022年11月27日をもって定期運行を終了することが発表されました。
この日は先頭に、かつて外房線を走った「急行 そと房」のヘッドマーク。ちなみに「そと」がひらがななのは、「外房」を「がいぼう」と読み間違えることが多かったからなのだとか。
側面にも「そと房」のサボが。
国鉄時代の車内はレストラン仕様に
いよいよ「キハ28」に乗車します!
受付でいただいたのは、席番号が書かれた昔ながらの硬券。一日フリー乗車券は「大原駅」で受け取りました。
硬券に入鋏して下さるのが、粋な演出。
車内に入ると、ずらりと並ぶボックスシート。これぞまさに国鉄時代の急行列車の姿。
当時と異なる点は、ボックスシートの片側にテーブルが設置されていること。ちょうど肘かけにテーブルが乗ってジャストフィット。奥行きがあってゆったり使えるのがいいですね。
乗客全員で乾杯
「レストランキハ」はゆっくりと「大多喜駅」を離れます。ホームからは大勢のお見送りが!
右手に大多喜城を見ながら、列車は「上総中野駅」を目指します。
車内では早速、ウェルカムドリンクのスパークリングワインがグラスに注がれます。
昭和生まれの古い国鉄型車両は、その分揺れが激しいため、グラスを置くためのスタンドが用意されていました。
シェフの挨拶のあと、乗客の皆さんと一緒に乾杯!お話上手なシェフの語りで、車内は一気に和やかなムードに。
続いてグラスには白ワイン。ワインは赤白ともに飲み放題。お酒好きには嬉しいサービスですね。
「ペッシェ アズーロ」のイタリアンコース
お料理は、茂原市の茂原駅近くにある「ペッシェ アズーロ」。「レストランキハ」が運行される日はお店をお休みにして、シェフ自ら乗り込んで料理を提供します。
[前菜]手作りピクルスとオリーブ
まずはワインが進む前菜、ピクルスとオリーブから。添えられていたのは、なんと四つ葉のクローバー。いいことあるかも。
[前菜]季節の前菜3品盛り合わせ
続いては3種の盛り合わせ。ピンク色が鮮やかな、ビーツを使ったソースでいただきます。
地元大原で獲れたタコ。いすみ市で獲れる太東・大原産真蛸は、明石タコと並んで日本二大タコと称されるそう。とても柔らかくてぷりぷり。
ワラサは、ブリの出世魚。身は柔らかくて、とっても脂がのっています。
姫サザエ。50g以下の小さなサザエを、姫サザエと呼ぶそう。磯の香りが口の中に広がります。
列車は「いすみ鉄道」の終点「上総中野駅」に到着。ここから先は「小湊鉄道」の線路が「五井駅」まで伸びます。
列車はここで折返し。今度は「大原駅」を目指します。
[スープ]シェフのおすすめスープ
この日は、アワビのエキスが染み込んだ魚介スープ。アワビとアサリの旨みが口の中でマッチした、上品な一品。
[第一の皿]大原産アワビとイクラの冷製スパゲッティーニ
大原産のアワビを添えた冷製スパゲッティー。このアワビがとっても柔らかくて絶品!
続いてやってきたのは、冷製スパゲッティーニ。ソースは、スペイン発祥の冷製スープ『ガスパチョ』。トマトきゅうり玉ねぎなど野菜の美味しさが凝縮されています。ニンニクの風味が効いた、暑い日にぴったりなソース。
ソースをパンに付けながら、残さずいただきました。
列車は再び「大多喜駅」に戻ってきました。構内踏切は「キハ28」が正面から撮影できる、絶好のスポット。決して線路に降りないように、撮影を楽しみましょう。
「レストランキハ」は「大原駅」を目指して発車。
メインのお皿が運ばれてきました!
[第二の皿]大原産伊勢海老の香草オイル焼き ピッツェリアソース
濃厚なエビの旨みが口の中いっぱいに広がります。また、トマトの酸味が効いたピッツェリアソースとも相性抜群で、エビの旨みをより引き立ててくれるのです。
大原駅で小休止
列車は「大原駅」に到着。ここで約20分の小休止。
大原駅には「いすみ鉄道」の売店があります。皆さん息抜きがてらおみやげを見に外へ。
窓の外から少し、キッチンの様子を見学。車両の大原方には簡易的なキッチンがあり、ここで最後の盛り付けがされているみたい。限られたスペースで、しかも一皿ずつ料理を提供するのは本当に凄いです!
[デザート]自家製チーズケーキとジェラートの盛り合わせ
最後は自家製のレアチーズケーキ。添えられているのは、バニラとカシスのアイスクリーム。チーズの味がとても濃厚で、深煎りのコーヒーとよく合います。
日本で最初に生まれたレストラン列車
のどかな田園風景の中を走る列車。
最後にシェフのご挨拶があり、旅はまもなく終着地へ。
大多喜駅に到着し「レストランキハ」の旅は終了。
「レストランキハ」が運行を開始したのは2013年。当時は車内で料理を提供する列車はほとんどなく、レストランキハはまさにレストラン列車の先駆けでありました。しかし「キハ28」の引退とともに「レストランキハ」の運行も終了します。
車体には老朽化に伴う痛々しい姿。「レストランキハ」は最終日まで満席。今回は運良くキャンセルが出たところを予約することができました。
日本で最初に生まれたレストラン列車はまもなく終わりを迎えますが、こんな列車が走ってたんだという思い出を忘れないように、今日の一日を心に刻みたいと思います。
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