いすみ鉄道「国吉駅」に動態保存されている「キハ30運転体験」に参加。数少ない貴重な国鉄形気動車を自らの手で運転してきました!
*2022年2月の情報を基に作成しています
週末に国吉駅で発売されるたこめし
運転体験の会場はいすみ鉄道「国吉駅」。駅に到着すると、向こう側からきたのは「キハ28」「キハ52」の急行列車。
四国地区を走った赤ひげ塗装の「キハ28」が房総地区に貸し出された記録がある事から、それを再現したのがこの「急行 内房」ヘッドマーク。貴重な姿に出会えました!
さて、運転体験はまずは「国吉駅」の会議室で昼食と机上講習から。
2階の会議室の窓から見た「キハ28」「キハ52」。上から望めるのは運転体験参加者だけの特権!
テーブルに用意されていた昼食は、国吉駅で週末のみ発売されている「いすみのたこめし」。
列車がホームに止まると「べんと〜べんと〜」の売り子さんの声とともに、駅弁の立ち売りが行われているのです!
古くから蛸つぼ漁が行われてきたこの辺りでは「たこめし」が漁師のまかない飯だったそう。コリコリ食感のたこの身がたっぷり。たこの味もご飯にしっかり染み込んでいます。
おかずには、房総半島の郷土料理"なめろう"を焼いた"さんが焼き"。魚のハンバーグみたいな味と食感ですが、大葉の風味がいい感じに効いています。美味しかった!
非電化通勤路線向けに製造されたキハ30
昼食のあとは運転体験の講習がスタート。
国吉駅で動態保存されている「キハ30 62」の歴史や、運転の操作方法を学びます。
机上講習が終わるといよいよ実車講習!「国吉駅」の大原方にいる「キハ30」のもとへ。
「キハ30」とは、国鉄が1961年から製造した「キハ35」形式のひとつで、両運転台のもの。非電化通勤路線向けとして、グループ総勢でなんと413両が製造されました。
「キハ30 62」は勝浦機関区に配置され、房総東線や木原線などで活躍。
その後久留里線でJR最後の「キハ30」3両のうちの1両として活躍しましたが、2012年12月で運行を終了。
ちなみに、久留里線最後の3両のうち「キハ30 62」が保存された理由は、木原線で活躍した経歴があったからだそう。
台車やエンジンを間近に観察。制輪子が車輪をガッチリ挟んでいるのがわかります。ちなみに、エンジンはJR時代に改装されていて、カミンズ製のエンジンを積んでいます。
「キハ30」の最大の特徴は、扉が"外吊り扉"になっている事。理由は車体の強度を保つためなのだとか。
では、車内へ。
通勤路線向けの「キハ30」は、扉は3カ所あり座席はロングシート。
つり革もたくさん。
扉が外吊り式なので、戸袋がありません。
ドアの開閉ボタン。今では主流ですが、当時は画期的だったのでは。
JR東日本のマークが入った扇風機。この「キハ30」はなんと冷房装置がない!夏はさぞかし暑い事でしょう…
窓は開けるが、手はださぬよう。
中吊り広告が昔のまま。スーパービュー踊り子の姿が懐かしい。
駅員さんのイラストが独特。
自動ブレーキの微妙な調整が難しい
いよいよ、憧れの運転席に着席します!
計器類。一見シンプルそうですが、表示灯には重要な表示がたくさん。
マスコンと逆転ハンドルだけでなく、変直ギアを変えるハンドルがあるのは、気動車ならでは。
ATSのボタンとか…。
乗換ボタンとか…。車両を実際に動かすまでには様々な操作が必要。しかもひとつでも間違えたり順番が違ったりすると車両が動かないんだから、難しい。
「キハ30」の運転で1番難しいのがブレーキ。「自動ブレーキ」という種類のブレーキなのですが、これが全く自動ではない。緩め位置、保ち位置、重なり位置、常用位置とハンドルを巧みに操ってブレーキをかける。これがとっても難しい!
左に見える赤い印が停止位置目標。
ここで止まればぴったり!私は全然上手くいきませんでした(笑)
昨日はいすみ鉄道のキハ30の運転体験に参加。貴重な国鉄形気動車を運転できて感無量。それにしても自動ブレーキは難しかった… pic.twitter.com/ZZ7oxAXhOz
— マサテツ (@masatetsudo) 2022年2月21日
憧れの運転体験、しかも国鉄形気動車を運転できる貴重な機会。とても楽しい時間が過ごせました。いすみ鉄道「キハ30」の運転体験は、毎月第三日曜日に開催されています。皆さんもぜひ参加してみては!
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