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JR東海の「飯田線秘境駅号」|秘境駅を堪能する5時間40分の旅

鉄道コム

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JR東海が毎年春と秋に運転する「飯田線秘境駅号」。昨年(2020年)で10周年を迎えた人気観光列車に乗って、普段なら立ち寄れない秘境駅を堪能してきました!

*2021年4月時点の情報を基に作成しています

5時間40分「急行列車」の旅

急行「飯田線秘境駅号」は豊橋を9時50分に発車。途中13の駅に停車し、終点飯田には15時30分に到着する5時間40分の旅です。定期列車にはない「急行」種別であるのもポイントのひとつです。

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東京方からゆっくりと「飯田線秘境駅号」が入線してきました!

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前面に掲げられた特製のヘッドマークは『THE秘境駅』と言われる「小和田駅」がモチーフ。よーく見ると右側にはかつて走っていた青い119系が。シブい!
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ホームではJRの係員さんによる熱烈なお見送り。こちらは急行券を模したボード。
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素敵な横断幕まで!

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ほぼ満席の乗客を乗せた「飯田線秘境駅号」はまもなく発車時間。
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5時間40分の長旅へ出発です!

私鉄4社が敷設した飯田線

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豊川を渡り、線路を共有する名鉄と分かれ、日本三大稲荷のひとつ『豊川稲荷』の最寄駅「豊川駅」を通過。約30分で「新城駅」に到着。
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かつて飯田線は豊川鉄道・鳳来寺鉄道・三信鉄道・伊那電気鉄道の私鉄4社に分かれていました。豊川鉄道に属していた新城駅は、大海まで全通する前の2年間は終着駅だったのだそう。

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駅舎は1943(昭和18)年に完成。駅舎からホームへ伸びる庇が、深い歴史を物語ります。
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駅舎内に掲げられた駅周辺図。かなり昔のものみたい。
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「飯田線秘境駅号」は反対列車と行き違い。
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そして豊橋を後から発車した「特急 伊那路」に先を譲ります。
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伊那路の後を追って「飯田線秘境駅号」は「新城駅」を発車。

記念グッズと秘境駅弁当

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車内では、今日の乗車記念グッズが配られました。ヘッドマークを模した「しゅぽ」の袋がかわいい!

こちらは「飯田線秘境駅号」の記念乗車証。開けてみると…
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飛び出す中井侍!ナイスセンス!
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同封されていたのは、飯田線を担当する乗務員さんが作成した「旅のしおり」。わら半紙が学校みたいで懐かしい!内容がすごく濃くて、道中だけでなく自宅に帰ってもゆっくり読んでました。

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さぁ、腹が減っては戦はできぬ。秘境区間に入ると忙しくなりそうなので、ここで少し早めのランチタイム。購入したのは豊橋駅の駅弁屋さん「壺屋」謹製の、その名も「飯田線秘境駅弁当」。今日は掛け紙が特別仕様です。
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では、オープン。
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おぉー!おかずいっぱい!どれも美味しかったのですが、壺屋といえば「稲荷寿司」。お揚げに甘めのタレがたっぷり染み込んだ、とってもジューシーな稲荷寿司は絶品なのです! 

秘境駅号は秘境区間へ


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「飯田線秘境駅号」は山間部へと入っていきます。
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飯田線に並走する川は宇蓮川。このあたりの渓谷は「鳳来峡」と呼ばれています。

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川底に板を敷き詰めたように見えることから、別名「板敷川」とも呼ばれているのだそう。
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ところで、そもそも秘境駅とは何か。

山中などにあり、駅周辺に人家や人の気配が全く感じられず、鉄道以外での到達が難しい駅。鉄道愛好家の牛山隆信氏が秘境駅ランキングを作成し、自身のホームページで紹介している。飯田線秘境駅号リリース資料より

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「飯田線秘境駅号」は秘境駅ランキング入った8つの駅に停車します。まず最初の秘境駅は「柿平駅」。2021年の秘境駅ランキングは172位。
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踏切から見る「飯田線秘境駅号」。駅前に一本道が通るほかは、木が生い茂るのみ。人家も人の気配もありません。これぞ秘境駅!
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都会とは全く違う美味しい空気を吸って、再び車内へ。
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山間部を走る線路は、鉄橋、トンネル、急カーブの連続。線路を切り拓いた人たちの苦労が浮かびます。 

鬼の駅舎!?東栄駅

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列車は「東栄駅」到着。あれ?あの駅舎はなんだ?
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鬼だ!すごい迫力!!

東栄駅の駅舎は国指定重要無形民俗文化財の「花祭」で使用される鬼の面がモチーフとなっています。
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怖い見た目の駅舎ですが、駅舎内は交流館やカフェが併設された優しい空間。

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パンジー越しの373系。
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「飯田線秘境駅号」の車両は373系。普通列車から特急列車まで幅広く利用されます。見た目は平凡ですが、この角度から見ると意外とカッコいいじゃん!

渡らずの鉄橋

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373系はどんどん山奥へと分け入って行きます。
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勾配やカーブを物ともせず走る姿は、さすが新しい車両。
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運転時刻表横に取り付けられたモニター。線路の状況を表示しているのかな?
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反対の普通列車と行き違い。
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「中部天竜駅」を通過。かつては「佐久間レールパーク」という鉄道博物館があり、豊橋からトロッコ列車も運転されていました。

当時保存されていた車両は、現在は「リニア鉄道館」で展示されています。

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「飯田線秘境駅号」の見どころのひとつ「第6水窪川橋梁」に差し掛かりました!

本来は川沿いにまっすぐ線路を敷く予定でトンネル工事を進めるものの、軟弱な地盤により何度も崩落。トンネル掘削を断念し、その場所を避けるように鉄橋を架けた。飯田線秘境駅号旅のしおりより

対岸に渡るのかと思いきや元の岸に戻る。そんな不思議な鉄橋は「S字鉄橋」とか「渡らずの鉄橋」なんて呼ばれています。 

東京駅を模した立派な駅舎


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S字鉄橋を通過した「飯田線秘境駅号」は「大嵐駅」に到着。ここは秘境駅ランキングのランク外。
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豊橋方には大きな口を開けたトンネルが。
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駅舎が立派!それもそのはず、なんと「東京駅」を模して建てられたのだそう。
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駅のそばにある橋までやってきました。
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佐久間ダム湖を渡る橋。こちらも立派です。
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橋の向こう岸から見た「飯田線秘境駅号」。結構な山中ですがここは秘境駅ではありません。秘境駅、恐るべし。

THE秘境駅!恋愛成就の小和田駅

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さぁ、いよいよ秘境駅巡りも本番。「飯田線秘境駅号」は『THE 秘境駅』と呼び声高い「小和田駅」に到着。
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現在の天皇陛下ご成婚の際、雅子様の旧姓と駅名が同じだったため『恋愛成就の駅』として一躍有名になった「小和田駅」。
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2021年の秘境駅ランキングでは第3位。トップ3に入ります。

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車では来れない、一番近い集落まで徒歩1時間以上かかるなど、まさに『THE 秘境駅』として名高い駅なのです。
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小和田駅では約20分の停車時間があるので、ゆっくり付近を散策。
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眼下には天竜川。
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転がったミゼットは、鉄道ファンの間では有名な光景。
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かつては人家があった駅周辺。
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工場?商店?生活の跡がそこかしこに残っています。
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生憎の雨ですが、これもまた秘境感が出ていいかも。
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20分の停車時間は駅周辺の散策には十分。秘境中の秘境を堪能した私たちは再び列車へ。

中井侍と伊那小沢

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次の秘境駅は「中井侍駅」なかいさむらい。なかなかカッコいい名前。中井侍の地名の由来は、昔「中井」という侍が多く居たからという、なんとも単純な由来。
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列車の窓を覗くと、眼下には茶畑。このあたりはお茶の産地として有名なのだそう。
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秘境駅ランキングは第10位。
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9分の停車時間ののち、次の駅へ。

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次は「伊那小沢駅」。秘境駅ランキング62位。

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早春には寒桜が咲き、信州で最も早く春を感じられる駅。今年は暖かくなるのが早かったので、すでに葉桜でした。

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ポツンと置かれた公衆電話が寂しげ。
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山の上の方を見上げると、人家が見えます。
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天竜川に架かる橋は「水神橋」だそう。
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停車時間が約8分となると、散策するには少し忙しなく感じます。

平岡駅でマルシェを楽しむ

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「飯田線秘境駅号」は「平岡駅」に到着しました。ここは秘境駅ではありませんが、約38分の小休止。
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天龍村の中心駅なだけあって、観光施設を併設した立派な駅舎。日帰り入浴も楽しめるそう。驚きなのが、38分の停車時間でひとっ風呂浴びる猛者がいること!
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「飯田線秘境駅号」の到着に合わせて、駅前ではマルシェが開催されていました。ただ、雨のため規模を縮小していたようで残念。
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JRの職員さん手作りの顔はめパネルがすごい!
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こちらは過去に使われた記念撮影プレート。
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そして昨年春に使われるはずだったヘッドマーク。どれも現役の運転士さんがデザインしたんだって!才能凄すぎる!
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マルシェで購入した抹茶ラテを手に、車内へ。
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駅舎の観光施設で購入した、玄米パン。
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生地がもっちもちで、程よい甘さの餡子たっぷり!美味しい!

難読「為栗駅」と絶景「田本駅」

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次は秘境駅ランキング13位の「為栗駅」。「してぐり」と読む、飯田線最強の難読駅。停車時間はわずか6分。
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向こうに吊り橋が見えますが、さすがに6分ではたどり着けず、列車へと引き返します。

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個人的に楽しみにしていた「田本駅」に到着。秘境駅ランキングは5位と、高順位。
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ホームから見る天竜川も美しいのですが、もっとすごい光景が待っているのです。
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急な階段を登り、トンネルの上へ行くと…
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この景色!これが見てみたかった!

駅の両側はトンネル。断崖絶壁に挟まれた狭いホーム。そして徒歩以外ではたどり着くことができない。これぞまさに秘境駅!

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田本駅を堪能し、次の駅へ。

金運アップ、長寿祈願

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金運アップ!?みんな駅名板に触れていく「金野駅」。
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秘境駅ランキング6位。かつてはここに駐輪場と屋根があったそう。地面のコンクリートが当時を物語ります。
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看板が生々しい。
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次の駅は「千代駅」。金野から千代まではわずか2分。席に座ったと思ったら、もう次の駅。こんなに忙しない観光列車は他にありません(笑)
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こちらは長寿になる!?ありがたい駅名が続きます。
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「千代駅」は秘境駅ランキング20位。
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長く続いた秘境区間も「千代駅」が最後。

天竜峡駅から飯田の市街地へ


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「天竜峡駅」を過ぎると飯田の市街地へ。さっきまでの秘境区間が嘘みたい。5時間40分に渡った「飯田線秘境駅号」の旅もいよいよラスト。
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手作りの団扇を手にしたスタッフさんの出迎えを受けながら、列車は定刻で終点「飯田駅」に到着しました。
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こんなに乗ったり降りたり忙しない観光列車って、他にないんじゃない!?ヘトヘトになりながらも存分に楽しめた「飯田線秘境駅号」でした。
既存の車両でここまで楽しい演出が繰り広げられるとは。JR東海さん、なかなかやるな。

毎年春と秋シーズンに運行される「飯田線秘境駅号」。チャンスがあればぜひ乗車してみては?

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