『世界最速の芸術鑑賞』と銘打って2016年から運行開始した「現美新幹線」ですが、今年12月もって引退する事が発表されました。今回は、名残を惜しむ乗客で賑わう現美新幹線に乗車してきました!
新幹線が丸ごとアート作品に
現美新幹線は、土休日を中心に越後湯沢〜新潟間の臨時「とき」号として1日3往復運行しています。引退発表後連日多くの人が乗車しているそうですが、中でも比較的空いている「越後湯沢8:24発 とき451号」に乗車します。
新潟方から真っ黒なボディがホームに進入。これが現美新幹線です!
ボディからすでにアート作品!
外観は写真家の蜷川実花氏が担当、日本三大花火大会のひとつである長岡の花火が描かれています。
現美新幹線は6両編成。
この列車のために製作・展示された作品を新幹線の車内で鑑賞する、まさに『世界最速の芸術鑑賞』なのです!
車内に並ぶのは座席ではなく「ソファー」。現代アート鑑賞がメインであるので、窓に背を向けてソファーが配置されています。
発車後しばらくしてから13号車へ。
13号車の半分は「キッズスペース」。カーペットの上で、プラレールで遊ぶ子どもたち。
プラレールもちゃんと新幹線。
もちろん、キッズスペースもアート作品。
走るカフェでコーヒーと焼菓子をいただく
同じ13号車にある「カフェ」。昔の新幹線には、カフェコーナーやビュッフェがありました。今残っているのは「とれいゆつばさ」と「現美新幹線」だけ。
カフェでは、ドリンクやフードのほかに車内でしか購入できないオリジナルグッズを発売しています。
コーヒーは、燕三条にある「ツバメコーヒー」が監修。苦すぎずマイルドで飲みやすい味わい。
限られたスペースやオペレーションの中、新幹線でも美味しいコーヒーが提供できるよう試行錯誤を重ねたそう。
コーヒーを飲みながらアート鑑賞も、他ではなかなかできない事。ぜひ美味しいコーヒーもともに楽しんでもらいたいです。
コーヒーのお供に頂いたのは「佐渡バターの笹団子風ケーキ」。こちらは「romi-unie」のいがらしろみ氏が監修しているそう。
しっとり食感のバターケーキ。笹の香りとこしあんが混じり合い、まさに口の中は笹団子。コーヒーにもぴったりマッチ!
最終運行日は12月20日
越後湯沢から新潟まで所要時間は50分。作品鑑賞やらカフェやらしてたら、あっという間に終点です。車掌さんから頂いた記念のポストカードを手に、現美新幹線とはお別れです。
2016年から運行開始した現美新幹線ですが、車両の老朽化を理由に2020年12月20日の団体列車運行をもって引退することとなりました。
残りわずかですが、安全運行で最後を迎えられることを願ってやみません。