10kmにも満たない短い路線を走る、一夜限りの夜行快速。岳南電車のイベント「岳南夜行」に参加してきました!
- 終電が発車したあとの吉原駅
- 岳南夜行ヘッドマーク
- サンライズとの並走でスタート
- めん太郎の夜食そば
- ライトアップが美しい岳南江尾駅
- 眠る電気機関車と工場夜景
- 深夜のお買い物タイム
- サンライズで始まりサンライズで終わる
- 関連リンク
終電が発車したあとの吉原駅
JR東海道本線「吉原駅」に降り立ったのは、夜23時。
ホームの向こうに見えるのが、今回乗車する「岳南電車」です。
名古屋方にある乗換通路。
あら。すでに終電は行った後のよう。
外を回って、岳南電車「吉原駅」にやってきました。本来なら明かりが消えている時間ですが、今夜は明るい吉原駅。
まずは受付から。改札の向こうにはすでに、今夜の"お宿"となる「9000形」が停車していました。
まだ架線に電気が来ていないそうで、電車はまだ真っ暗。
そんな中、正面のお顔には投光器の明かりが灯されて撮影会。
この先各駅でも投光器で照らしてくれるという、岳南電車さんの至れり尽くせりな対応に感激!
電気が来るまではまだ時間があるようなので、受付で頂いたグッズを並べてみました。
時刻表は岳南夜行の運行予定時刻表、そしてなんと吉原駅の貨物列車通過時刻表まで。残念ながらスーパーレールカーゴは見れなさそう。
ホームで始まったのは、岳南夜行の2往復目で後方展望が体験できる抽選会。往路復路1人ずつの狭き門。残念ながら外れましたが、これはなかなかレアな体験です。
岳南夜行ヘッドマーク
そうこうしているうちに、架線に電気がやってきたよう。静かにパンタグラフが上がり、いよいよ電車に明かりが灯りました。
乗客を乗せる前に、まずは出庫点検。
明るく照らす前照灯。
「岳南夜行」に用意されたヘッドマークは2種類。まず吉原方は月明かりと富士山をモチーフにした絵入り。
岳南江尾方は文字のみ。「快速」の系統板が輝かしい!
では、車内へ。
岳南電車唯一のクロスシート車両。
京王電鉄5000系としてデビュー。その後富士急行1000形へと受け継がれ、2018(平成30)年に岳南電車にやって来ました。
サンライズとの並走でスタート
夜も深まり、時刻は23時40分。
23時51分。「岳南夜行」は定刻より少し遅れて「吉原駅」を発車。すると早速「左側にご注目」とアナウンス。
夜行vs夜行 #岳南夜行 pic.twitter.com/xERHBVUMx8
— マサテツ (@masatetsudo) 2021年5月8日
JRの線路を走ってきたのは「サンライズ瀬戸・出雲」。まさか吉原で夜行列車の並走が見られるとは!すごい!
車内では早速、車掌さんによる車内改札。昔ながらの硬券に入鋏。
切符が2種類あるのは、日付を跨ぐまでの「吉原〜比奈」間と、日付を跨いだ後の「1日フリー乗車券」。
めん太郎の夜食そば
ジヤトコ前・吉原本町・本吉原と、普段なら見られない通過体験ののち、列車は「岳南原田駅」に到着。ここでさっそく1時間の停車時間。岳南電車の路線距離は9.2km。時間をかけてゆっくり走ります。
ここで手にしたのは「夜食券」。
「岳南原田駅」の駅ナカにある蕎麦屋さん「めん太郎」で、夜食が頂けるのです!
真夜中の行列。
手際良くテボを振るご主人。
おぉー!美味しそう!
かき揚げがもの凄くデカい!濃いめのつゆがうまい!
お腹もいっぱいになったところで、夕涼みがてら写真撮影。
参加者さんが持参されたヘッドマーク。
「岳南原田駅」停車中に車内は減灯。非常事態の時は減灯する事があるそうですが、なかなかレアな体験です。
ライトアップが美しい岳南江尾駅
列車は「岳南原田駅」を発車。この先は工場夜景がきれいな区間を走りますが、残念ながら深夜のためライトアップはしていません。
岳南電車では車内の照明を消して工場夜景が楽しめる「夜景電車」なるイベントが定期的に開催されています。いつか参加してみたいものです。
列車は岳南電車の終点「岳南江尾駅」に到着。ここでは20分の停車時間。
最近運行を開始したばかりの「ナポリン勝男クン。号」がお休みしていました。
あら!ライトアップされてる!
きれいな竹灯籠!
幻想的な光景にうっとり。写真撮影で夢中になっていたら、あっという間に発車の時間。列車は再び「吉原駅」へと折り返して行きます。
眠る電気機関車と工場夜景
「岳南富士岡駅」に到着。
草木も眠る丑三つ時。
ここには、岳南鉄道時代に貨物輸送で活躍していた4両の電気機関車を見学。
駅の照明に照らされる電気機関車。迫力を感じます。
次の駅「比奈駅」でも停車。
ここは工場地帯の中にある駅。夜でも煌々と明かりが灯ります。
遠くにはモクモクと煙があがる工場。
静かな暗闇の中に駅の照明が灯る。絶好の鉄道夜景の撮影スポットです。
深夜のお買い物タイム
2時42分。「岳南夜行」は再び「吉原駅」へと戻ってきました。
ここでは約50分の小休止。
眠気覚ましに貨物列車。#岳南夜行 pic.twitter.com/DMxpHGGTAD
— マサテツ (@masatetsudo) 2021年5月8日
東海道本線は貨物列車のラッシュタイム。数分おきに通過する列車を眺めながら夜風にあたります。
この間売店が深夜営業していたので、最初受付で頂いたクーポンを使ってお買い物!
記念乗車証やタオルなどオリジナルグッズが並ぶ中、目を惹いたのがこれ。富士市のご当地グルメ「つけナポリタン」と夜景電車がコラボしたかつおぶしチップスなんだって!
岳南電車のオリジナルコーヒー。のどかな風景や夜景電車をイメージしたブレンドなのだそう。こちらもおひとつ購入。
今夜の「岳南夜行」のヘッドマークのレプリカ!これは参加者には堪りませんね。絵入りのヘッドマークは売り切れていました。
サンライズで始まりサンライズで終わる
最後の1往復は途中駅をすべて通過。片道30分は束の間の仮眠タイム。
「岳南江尾駅」を発車し「岳南夜行」もいよいよ最後の片道。いつの間にか外はうっすら明るくなってきました。
電気機関車が眠る「岳南富士岡駅」をゆっくり通過。
昨晩は暗くて見えなかった製紙工場の姿。
約5時間のプチ夜行列車の旅もまもなく終わりです。
最後はEF210形と並走し終点「吉原駅」へ到着。
役目を終えたヘッドマーク。
吉原駅では、近くにあるパン屋さん「あにぱんや」のパンが朝食として配られました。
貨物列車を眺めながら頂くパンとコーヒーは、また格別のうまさ。
サンライズで始まりサンライズで終わる #岳南夜行 pic.twitter.com/FyENhipjzm
— マサテツ (@masatetsudo) 2021年5月8日
5時16分。東京行き「サンライズ瀬戸・出雲」は定刻で通過して行きました。
サンライズと並走から始まり、夜食そば、暗闇で眠る電気機関車、幻想的なライトアップ、そして最後もサンライズ。10kmにも満たない短い路線ですが、創意工夫だらけであっという間の5時間でした。感染対策万全で開催してくれた岳南電車さんに感謝。ありがとうございました。
夜汽車の旅を演出してくれた9000形。元のワンマンマークを付け、始発電車として再び岳南江尾へと走って行きました。
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