西九州新幹線の開業にあわせてデビューした、西九州の海をめぐる観光列車。JR九州の「ふたつ星4047」に乗ってきました!
*2022年10月の情報を基に作成しています
- 西九州新幹線が開業
- 純白に包まれた"よんまる・よんなな"
- 木のぬくもりを感じる車内
- 豪華でゆったりした空間のラウンジ40
- 肥前山口から変わった江北駅へ
- 肥前浜でおもてなし停車
- 有明海に沿って走るふたつ星
- 佐賀牛をふんだんに使ったオリジナル弁当
- 旧線区間から望む大村湾
- 新幹線フィーバーに沸く長崎駅
- 焼きたてのふわふわスフレ
- 車窓に広がる大村湾
- 九州で有名な海が見える駅、千綿駅
- 新幹線かもめと並走しながら終点へ
- 関連リンク
西九州新幹線が開業
2022年9月23日に開通した「西九州新幹線」。区間は武雄温泉〜長崎間で、博多〜武雄温泉間は「特急リレーかもめ」がリレーします。
武雄温泉駅では「リレーかもめ」と新幹線「かもめ」が同じホームで接続するので、乗換えに手間取る心配はなさそう。
水戸岡鋭治氏がデザインした新幹線「かもめ」。カッコいい!
純白に包まれた"よんまる・よんなな"
そんな「武雄温泉駅」から「ふたつ星4047」の旅はスタートします。
「ふたつ星4047」が走るのは武雄温泉〜長崎間ですが、往路と復路でルートが異なります。武雄温泉発の列車は「江北駅」で進行方向を変え、長崎本線を通って長崎を目指します。
「ふたつ星4047」が入線してきました!
白、いや"純白"のボディにゴールドのラインが素敵!
頭上には"ふたつ星"が!
煌びやかなエンブレム!
"4047"の愛称の由来は、国鉄時代に生まれたこの車両の形式「キハ40」「キハ47」から。
元々は鹿児島県を走っていた「はやとの風」に使用されていた車両を再改造したのだそう。裾から頭上まで伸びる窓は「はやとの風」時代の名残りです。
木のぬくもりを感じる車内
では、車内へ。
おぉー!おしゃれ!
床から壁面、天井にいたるまで木材がふんだんに使われた車内。
天窓の部分には伝統工芸の大川組子が使われています。
座席の背もたれにも木材。木のぬくもりを感じる空間です。
車両の中央には、窓側を向いた2人がけのベンチシート。テーブルも広いので、2人連れならおすすめかも。
豪華でゆったりした空間のラウンジ40
3両編成の「ふたつ星4047」ですが、中間の2号車は1両すべてがフリースペースになっています。その名も『ラウンジ40』。では、ラウンジ40の車内へ。
おぉー!なんて豪華なんでしょう!
窓枠や障子には福岡県の伝統工芸である"大川組子"が贅沢に使われています。これはJR九州の「ななつ星in九州」や「或る列車」といった豪華列車にも用いられている技術。まるで窓が額縁のよう!
豪華にあしらわれた調度品も素敵。
床や天井の装飾もおしゃれ。この空間にいるだけでも、旅の気分が盛り上がります。
ラウンジ40の一角にはにはビュッフェがあります。
ここではドリンクやおみやげものなどが購入できます。
オープンしてさっそく、多くの人で賑わっていました。
肥前山口から変わった江北駅へ
発車してさっそく、記念乗車証の配布が。D&S列車の記念乗車証はどれもカッコいいのです。
裏側にはスタンプが押せるスペース。スタンプ台は車内にあるので、旅の記念に押してみては。
列車は「武雄温泉駅」を発車。のどかな田園風景の中を走ります。
「江北駅」に到着。
佐賀県江北町の中心となるこの駅は、9月23日の西九州新幹線開業とともに、駅名が「肥前山口」から「江北」に変わりました。駅名板もまだ新しくてピカピカ。
「江北駅」では約8分停車。ホームではマルシェが開催されています。
江北町の特産品やおみやげ、さらにこの日は鳥栖駅のかしわめしも販売していました。
「江北駅」から進行方向が変わり、佐世保線から長崎本線へと入ります。
肥前浜でおもてなし停車
江北から20分で「肥前浜駅」に到着。ホームでは多くの人の熱烈な歓迎が!月曜日に博多から佐世保まで走る「36ぷらす3」も「肥前浜駅」にも停車し「ふたつ星4047」と同じくおもてなしがあります。
「肥前浜駅」がある鹿島市のゆるキャラ「かし丸くん」も遊びに来ていました!
地元の保育園児の姿も。
ホームではマルシェを開催。地元酒造の地酒の飲み比べセットなんかもありました。
目に留まったのは、駅近くにある「安富餅屋」の「ケーランひだりむね」。ケーランとは餡を餅でくるんだ、唐津・松浦地区の郷土料理。ケーランの巻いた姿が着物の着方「左前(左胸)」に似ていることから「ひだりむね」という愛称がついたのだそう。
うるち米を使った餅はモチモチで全く硬くありません。中には甘いこしあんがたっぷり。美味しい!
賑わうホームを出て、駅舎を見学。「肥前浜駅」の駅舎は1930年築で、2019年に建築当時の姿に復元されました。
駅舎の中には、地元の酒蔵の日本酒が味わえる「HAMABAR」があり、観光客で賑わっているそう。
駅舎の中には「46年間ありがとう特急かもめ」の文字が。西九州新幹線の開業で「特急かもめ」の名はなくなり、肥前浜の線路から特急の姿が消えました。「特急かもめ」の代わりに、隣の「肥前鹿島駅」までは新たに「特急かささぎ」がデビュー。鹿島市の足を担っています。
17分の停車時間はあっという間でした。
熱烈なお見送りを受けながら、列車は「肥前浜駅」を発車。再び長崎を目指します。
有明海に沿って走るふたつ星
「肥前浜駅」を発車すると、家並みの向こうに海が見えてきました!
目の前に広がるのは有明海。この日は天気もよく、真っ青な海と空が素晴らしい!
列車はしばらくの間、海岸線に沿って走ります。
ふたつ星のマークにピントを合わせてみました。まるで海の中を走っているよう。
列車は「多良駅」に到着。ここでは7分の停車時間。
「良いことが多い駅」と書いて「多良駅」。縁起のいい駅名です。
ホームには"幸せの鐘"が。鐘を鳴らせば良いことが多くあるかも。
続いて停車したのは「小長井駅」。
線路のすぐ向こうは海!「ふたつ星4047」と海を絡めて撮影できるスポット。
純白のボディと青い海はとっても似合いますね!
佐賀牛をふんだんに使ったオリジナル弁当
時刻は12時を過ぎ、そろそろお腹が空いた頃。ここでランチタイムとしましょう。「ふたつ星4047」のサイトから事前予約できる2種類のお弁当をいただきます。
まずは二段重の「特製ふたつ星弁当」。
お品書きを見ながらいただきましょう。では、オープン。
おぉー!これは豪華だ!
まずは佐賀牛のステーキ。レアな焼き加減でとっても柔らかい!肉の味もしっかり濃厚です。
続いては佐賀牛のローストビーフ。こちらは出汁で漬け込んでいるみたい。口の中で脂がとろけるよう。鬼おろしポン酢でいただくと、肉の旨みもおろし大根の辛味が交わって美味!
さらに、佐賀牛のメンチカツ。佐賀牛を使った3品は、どれも肉の味が濃厚で「上質なお肉だなー!」っていうのがとってもよくわかります!
がんも、里芋などが入った炊き合わせ。優しい味がとっても染み込んでいます。有明海で獲れた海老の南蛮漬け。有頭海老って見た目は豪華なのですが、手が汚れるし食べにくいんですよね。これは頭から尻尾まですべて食べられるので、とってもいい!
ステーキの下のご飯にはおかかが混ざり、さらに上には有明海産の海苔が。有明海の海苔といえば全国的にも有名。冷めていても、磯の香りが口いっぱいに広がります。
次は「4047弁当」をいただきます。こちらは一段でお値段もリーズナブル。では、オープン。
おぉー!お肉たっぷり!
有明海産の海苔をのせたご飯の上に敷き詰められたのは、佐賀牛のすき焼き。甘辛い味付けがとっても美味!肉の味も口の中にしっかり広がります。冷めても柔らかくて、脂も浮き出ていません。
おかずは「特製ふたつ星弁当」と同じく、有明海産海老の南蛮漬けや佐賀牛メンチカツなどが入ります。「特製ふたつ星弁当」と比べるとサイズは小さく見えますがボリュームは満点!特に佐賀牛のすき焼きは美味しかった!
お弁当のお供にビールを。「ふたつ星」の車内で「ひとつ星」のサッポロ黒ラベルは、狙っているのかな(笑)
旧線区間から望む大村湾
諫早を発車した「ふたつ星4047」。この先長崎本線は、トンネルで貫く新線と海沿いを走る旧線に分かれます。「ふたつ星4047」は旧線区間へ。
車窓に広がるのは大村湾。美しい!
やがて列車は大村湾とお別れ。山の中へと分け入ります。
坂の街が見えてくると、長崎はもうすぐ。
新幹線フィーバーに沸く長崎駅
「ふたつ星4047」は終点「長崎駅」に到着。新幹線で30分のところを、2時間50分かけて走りました。
この後「ふたつ星4047」は折返し準備を行い、再び武雄温泉へと戻ります。
西九州新幹線が開業し、開発が進む長崎駅前。
改札口には「かもめ」の顔はめパネル。
おみやげ屋さんには「かもめ」のポストカードが置かれ…
おみやげ袋も「かもめ」。長崎の街は「かもめ」一色でした。
焼きたてのふわふわスフレ
再び「ふたつ星4047」の旅へ。
「長崎駅」は14時53分発。
往路とは異なり、今度は諫早から大村線を通って早岐、そして武雄温泉へと走るルートです。
乗車してさっそく、ラウンジ4047に席を取りました。理由は、焼きたてのスフレをいただくため。スフレは「ふたつ星4047」のWEBサイトからの事前予約制。焼き上がりの時間は2回あり、それぞれ限定8個ずつという狭き門。乗車が決まったら早めの予約をおすすめします。
「スフレが焼き上がりまーす」の声でカウンターに出向くと、そこにはムクムクと膨れ上がった焼き立てのスフレが!
甘い香りがいっぱいに広がります!美味しそう!
目の前で粉砂糖を振りかけて完成。
長崎市内にある洋菓子店「ママン・ガトー」のスフレを車内販売用にアレンジ。
熱々でふわっふわ!口の中でシュワーってとける!列車の中でできたてが食べられるっていうのがいいですね。今まで食べた車内スイーツの中では、一番の美味しさでした。「ふたつ星4047」に乗ったらぜひおすすめ!
焼きたてのスフレを食べ終わった頃、列車は「諫早駅」に到着。
ホームには最新鋭の「やさしくてちからもち」な「YC1系」の姿。
「諫早駅」では15分停車。佐世保行きの「シーサイドライナー」に先を譲ります。
車窓に広がる大村湾
列車は長崎本線と別れ、大村線へ。新大村までの間は、車窓には西九州新幹線の姿。
松原を通過すると、車窓に大村湾が見えてきました!美しい!
太陽の光でキラキラと輝く海。「ななつ星in九州」も通過する、九州随一の絶景区間をゆっくりと走ります。
快晴の大村湾を走る、ふたつ星4047。 pic.twitter.com/p6hv0UbnwZ
— マサテツ (@masatetsudo) 2022年10月3日
九州で有名な海が見える駅、千綿駅
列車は「千綿駅」に到着。ここでは10分停車します。
ここは大村湾を望む最高のロケーション!過去には青春18きっぷのポスターにも採用された、九州で有名な海の見える駅です。
海と絡めて、ふたつ星を撮影。
レトロな雰囲気の千綿駅駅舎。かつては駅舎の中に「千綿食堂」というお店が入っていましたが、すでに閉店。カレー美味しかったなー。
代わりに、かわいいお花屋さんが入っていました。
「千綿駅」を出てからも、しばらく大村湾沿いを走ります。
新幹線かもめと並走しながら終点へ
「ハウステンボス駅」に到着。時刻は17時。ホテルにチェックインするにはちょうどいい時間。
早岐を出て、列車は佐世保線へ。やがて西九州新幹線が並走し、武雄温泉へと入線します。
ふたつ星4047。クライマックスは新幹線かもめと並走しながら武雄温泉駅へ入線。かもめの車掌さんが手を振ってくれた! pic.twitter.com/AEsEoOAGU9
— マサテツ (@masatetsudo) 2022年10月3日
「長崎駅」から約2時間50分。「ふたつ星4047」は終点「武雄温泉駅」に到着。
豪華なデザインの車内に目が行きがちですが、実は海が望める区間が多くJR九州のD&S列車の中でも1、2を争う美しい車窓だと思います。車内でいただけるお弁当も美味しかった。特にスフレは絶対おすすめ。また乗りたいと思える、すごく楽しい列車旅でした!
帰りは乗換時間5分で博多行き「特急みどり」に接続しますが、時間があれば30分後の「リレーかもめ」にして駅ナカのおみやげ屋さんとかを覗くのもいいかも。月曜日なら「36ぷらす3」に乗り換えることもできます。
関連リンク
鉄道イベント情報
北越急行 秋のほくほくまつり(2022年10月16日) - 鉄道コム
山形鉄道 フラワー長井線まつり(2022年10月23日) - 鉄道コム
長岡車両センター EF64形 コンプリート撮影会(ツアー)(2022年10月29日) - 鉄道コム
房総特急50周年 乗務員体験ツアー(2022年11月27日) - 鉄道コム
キハ47 復刻急行土佐(ツアー)(2022年11月3日) - 鉄道コム