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415系セミクロスシート車で行く「日豊本線縦断号」①|小倉から宮崎まで日豊本線を縦断[旅行記]

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JR九州に残る国鉄近郊形電車「415系」を貸し切り日豊本線を縦断する2日間。「日豊本線縦断号」に乗ってきました!

*2021年7月の情報を基に作成しています

国鉄生まれの近郊形交直流電車

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旅のスタートは「小倉駅」から。発車標のスクロールに「日豊本線縦断号」の文字が!
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小倉から特急に乗れば宮崎までおよそ4時間30分。「日豊本線縦断号」は途中、秘境駅「宗太郎駅」などに停車しながら約6時間かけて宮崎を目指します。
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今回の主役「415系」が入線してきました!
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「415系」は国鉄が製造した交直流両用近郊形電車。交流区間と直流区間を直通する事ができる電車として1960年代から製造されました。九州のほか関東の常磐線などでも活躍した「415系」。現在はJR九州に残るのみです。
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では、車内へ。
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うーん!国鉄の香り!

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この車両は昭和54年に日立製作所で作られたみたい。御年42歳。
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ボックスシートと、ドア付近にロングシートを組み合わせた「セミクロスシート」というやつ。JR九州の「415系」は多くがロングシートに改造され、セミクロスシートが残るのは数編成のみと貴重なのだそう。

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今回はボックスシートを1ボックス貸し切り。

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国鉄時代のふかふかのシートなら、お尻が痛くなる心配もなさそう。
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窓は下段が少しだけ開くので、換気も兼ねて風を浴びながら旅を楽しもう。
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本当の"網棚"というやつ。
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謎の機械ボックスがあるのがいかにも国鉄形。

全速力で走る415系

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前を走る「ソニック」が遅れていたので、「日豊本線縦断号」は少々遅れて「小倉駅」を発車。

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まずは大分までノンストップ。遅れを取り戻すべく時速100キロで日豊本線を爆走する「415系」。

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のんびりとした時間が流れる車内。

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小倉の市街地を抜け車窓はのどかな風景に。
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青々とした稲がいい景色。
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外は青空。天気がよくてよかった!
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外には海が見えてきました!割り当てられた座席が山側だったのが残念ですが、復路は海側だったので海は復路に楽しむとしよう!

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福岡と大分の県境あたりでしょうか、山が深くなってきました。
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遠くに「別府タワー」が見えると、九州随一の温泉地・別府を通過。
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ここからしばらくは別府湾に沿って走ります。いい景色!
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「日豊本線縦断号」は小倉での遅れを取り戻し、ほぼ定時で「大分駅」に到着。
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ここでは7分の停車時間。
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ホームを挟んで787系、885系と並びました!
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宮崎までは、まだまだ長い道のりが続きます。

宗太郎で「36ぷらす3」と並ぶ

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大分を出たところでお弁当タイム。大分で積み込まれたのは、大分駅の駅弁「鮨由」の「なごり雪」。これ、食べてみたかったやつ!
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豊後沖で獲れた鰆の西京焼きがのったちらし寿司。上品なコッテリ感に香ばしい風味が相まって絶品!脂がのった鰆の美味しさをしっかり引き立てています。美味しい!
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続いては今日の記念乗車証の配布。小倉から宮崎ゆきの硬券入り。
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こちらは往復ともツアーに参加した人だけの特典。なんと今日乗った号車札のレプリカ!

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「佐伯駅」を通過するとのどかな景色は一変、列車は山の中へと入っていきます。
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しばし運転席の後ろでかぶりつき。右へ左へカーブする線路、トンネルの連続、続く登り勾配。そう、ここは大分県と宮崎県の県境で日豊本線最大の難所「宗太郎越え」区間。
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ノッチを入れたりブレーキをかけながら、山越え区間を走ります。


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「重岡駅」に到着!
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停車する列車は上下合わせてわずか4本。延岡行きに至っては6時47分発が始発でもあり最終でもあるのです。
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「重岡駅」には地元の方が大勢集まっていて、試食や地元の物産品の販売が。
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この後に「36ぷらす3」がやってくるそうで、それに先立って「日豊本線縦断号」でも物産品の販売をして下さったみたい。

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「日豊本線縦断号」はついに、秘境駅「宗太郎駅」に到着。
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ホームが短いので先頭の1両だけドアが開き、あとの車両は締切。
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大分県佐伯市にある「宗太郎駅」は1923(大正12)年に信号所として開設、1947(昭和22)年には旅客扱いを開始して駅に昇格。かつては急行列車が停まる頃もあったそうですが、現在では平均乗車人員が1人にも満たない状況。

1999年に開設された秘境駅を紹介するホームページ「秘境駅へ行こう!」の2020年度版秘境駅ランキングは33位。
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山深いところにある「宗太郎駅」。
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しかし駅前には民家があり、すぐそばには国道も走っています。
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停車する列車は1日たったの3本。この間、特急列車や貨物は多数通過しますが、停車する列車はありません。列車に乗って「宗太郎駅」で降りてその日のうちに戻るには、

『延岡6:10発→宗太郎6:39着・6:54発→延岡7:26着』
これしか無いのです。そんな、乗降が困難な秘境駅に降り立てるのは貴重な機会。

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駅舎はなく、運賃箱がポツンとあるのみ。
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道路から見ると、ここが駅だとはわかりません。
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苔が覆い茂った階段。

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注ぎてる湧き水。

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待合室には、秘境駅に訪れた人たちの想いを描いた石が並べられていました。
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14分の停車時間の間には、今日のメインイベントが待っています。
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やってきました!36ぷらす3!
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そう!ここで「日豊本線縦断号」と「36ぷらす3」が並ぶのです!
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窓からは「36ぷらす3」の輝かしいエンブレムが。
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光沢がすごいボディに「415系」の姿が映ります。
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並んだのはわずか数分。興奮も冷めやらぬうちに「日豊本線縦断号」は「宗太郎駅」を発車。

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「宗太郎越え」を抜け、列車は再び田園風景の中を走ります。

日豊本線縦断号は宮崎県へ

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宮崎県に入って最初の停車駅「日向市駅」に到着。
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ホームの上屋がものすごく高くてびっくり!
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上家の柱は地元産のスギ材を使ってるそう。
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右側から近づいてきた高架橋。これは、かつてのリニアモーターカーの実験線。
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今はソーラーパネルがのるリニア実験線。リニア中央新幹線も早く実現するといいですね!
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単線区間なので、反対列車と離合しながら進みます。
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海が見えてきました!宮崎の海!あいにくの曇り空ですが、白波が立つ海の光景が目の前に!
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列車は「日向新富駅」に到着。ここではなんと"幕回し"をしてくれるとの事!


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出てきたのは「有田陶器市号」。これはなかなかレアなのでは!
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皆さん夢中でカメラ撮影。鉄道ファンの心をくすぐる演出に感激!

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16時10分。「日豊本線縦断号」はほぼ定刻で、往路の終着駅「宮崎駅」に到着。
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小倉から約6時間走り続けてくれた「415系」。長時間の旅でしたが、途中の休憩停車が良い気分転換に。田園風景から山へ海へ、変化に富んだ車窓で飽きる事なく過ごしたひととき。そして何より国鉄形のふかふかのシートは、お尻が痛くならなかった!

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駅員さんの出迎えを受けながら、今日の旅は終わり。
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明日は復路の旅。この続きは次の記事へ。

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