5日間かけて九州を1周するJR九州の「36ぷらす3」。今回は博多発長崎行きの「金の路」に乗車。途中トラブルに見舞われましたが、長崎までの約4時間50分の旅を楽しんできました!
*2021年8月の情報を基に作成しています
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畳敷きの6号車に乗車
旅のスタートは「博多駅」。駅ビルには「36ぷらす3」の垂れ幕が掲げられています。
「36ぷらす3」長崎行きは10時51分発。
10時30分頃、ホームに「36ぷらす3」が入線!
武骨で繊細な先頭デザイン。真っ黒なボディにゴールドの縁取り。改めて見てもカッコいい!
多くの人が行き交い忙しない「博多駅」ですが、「36ぷらす3」のまわりだけは華やいだ時間が流れています。
今回乗車するのは「金の路」と名付けられた長崎行き。
海を渡ってきた文化を受け入れ、独自に発展させた金の輝き
をテーマに、金にまつわる7つのエピソードを辿りながらこの地の魅力を再発見する旅です。
では、車内へ。今回席を取ったのは、最後部となる6号車。
車両の入口では靴を脱ぎ靴箱へと収納します。その理由は…
そう、床が畳敷きなのです!
い草の香りがいっぱいに広がり、とても電車の中とは思えない空間。おばあちゃん家の和室で足を伸ばしているような、そんな寛ぎが感じられます。
木と皮と布、自然の素材を組み合わせてできた座席。同じ車両でも色や柄に違いがあって、ついついキョロキョロと周りを見渡してしまいます。
深みのある赤い壁は決して派手なものではなく、赤色とは思えない落ち着きを感じさせてくれます。
落ち着いた色調の照明。
ここにも、細かく模様が異なる仕掛けが。36ぷらす3のロゴマークも隠れていました。
車内の様子はこちらの記事で詳しく紹介してます!
長崎へと続く長崎本線へ
「博多駅」を発車した「36ぷらす3」。さっそく車両にアテンダントさんが来て旅の始まりの挨拶。そして「金の路」の7つのエピソードを紹介するリーフレットが配られました。
「36ぷらす3」は「鳥栖駅」に停車。駅前に保存されている国産初の量産型蒸気機関車「230形」の姿が。
Jリーグ・サガン鳥栖の本拠地「鳥栖スタジアム」を左手に見ながら「36ぷらす3」は鹿児島本線と別れ、長崎本線へと入って行きます。
九州新幹線と交わる「新鳥栖駅」を通過。
若干雲が優勢ですが、雨の心配はなさそう。
障子の窓越しに見る景色も、また素敵。
36ぷらす3でいただくフュージョンBOX
さて車内ではお待ちかね、食事の準備がスタート。「36ぷらす3」では地域の美食が味わえる「ランチプラン」があり、個室と座席で異なる食事プランが用意されています。
座席で用意される食事は弁当スタイル。
博多発の「金の路」は、福岡市にある「Nishimura Takahito La cuisine créativité (ニシムラタカヒト・ラ・キュイジヌ・クリアテビィテ)」の「世界を旅するフュージョンBOX」。では、オープン!
おぉー!美味しそう!フュージョンのその名の通り、日本・中国・イタリアなど様々な料理のジャンルや技法を融合した料理たち!
まずは壱の段。
長崎で獲れた鮪はレアな焼き加減のカツレツに。もろみ味噌が美味さを引き立てます。対馬産の穴子は中国料理の春巻に。
糸島産の豚ヒレ肉は、同じく糸島産のミツル醤油と塩麹でロースト。福岡の鶏肉は照り焼きに。どちらの肉も柔らかくて風味豊か。
福岡産の牛ホホ肉は贅沢にトリュフソースとの組み合わせ。トロトロで柔らかく肉々しさも濃厚。
呼子で獲れたヤリイカはイカめしに。玄界灘の蛸には中華風の味付け。
季節野菜の煮〆や白茄子の揚げ浸しなど、和の要素もふんだんに盛り込まれています。
続いて弍の段。ご飯は福岡のオリジナル品種である元気つくし米。冷めていても粘りがあってもっちり。
ご飯のお供の明太子には、パルメジャーノチーズがたっぷり。味がまろやかなになって意外にもマッチ。
白だしで煮込んだ、佐賀産の車海老。玄界灘のつぶ貝はガーリックパン粉焼きでイタリアンテイストに。
目鯛のことを"だるま鯛"と呼ぶそう。こちらはコンフィと呼ばれるフランス料理の技法で調理。緑色のソースはニラ。
料理のお供には、ビュッフェで発売されていたクラフトビールを。宮崎特産の日向夏の爽やかな香りがいっぱいに広がる「九州クラフト日向夏」。お弁当との組み合わせは最高でした!
信号故障のトラブル発生
「36ぷらす3」は「佐賀駅」に到着。ここで小休止。
佐賀から「36ぷらす3」に乗車する事も可能だそう。
さて、ここで車内に不穏な放送が。なんでもこの先の長崎本線信号故障との情報。先行きに心配が…
「佐賀駅」を発車しましたが、隣の「鍋島駅」で停車。最終的に、運転再開までここで2時間近く止まることになります。
今頃は美しい海の車窓が広がっているはずが…。まさかの貨物。
嘆いても仕方がないので、4号車のマルチカーでのんびりするとします。
6号車の畳でも使われているい草で作られた、39のリング。記念撮影でも活躍していました。
マルチカーの書棚には、九州や「36ぷらす3」をデザインした水戸岡鋭治さんに関する本が。
水戸岡氏のデザインブックを読みながらのんびり。
隣の3号車にはビュッフェ。
コーヒーは「36ぷらす3」のオリジナルブレンド。
ちょっと小腹が空いたので、ビュッフェで発売していたミニうどんを購入。五島列島で獲れた椿油と近海の塩で作られた手延べうどん。コシが強くてツルツル。あごだしの風味が広がるスープ。美味しい!
肥前浜でおもてなし停車
手延べうどんをすすっている頃、「36ぷらす3」はようやく鍋島を発車。
「36ぷらす3」は「肥前浜駅」に到着。ここでは"おもてなし停車"として約55分の停車時間があり、ボランティアガイドさんが宿場町として栄えた肥前浜宿を案内してくれるのだそう。
駅舎は1930年築。2018年に建築当時の姿に復元されました。
駅舎の別棟には日本酒バーが。ここ肥前鹿島市は九州の酒どころのひとつとして有名なのだそう。肥前鹿島などで作られた日本酒がずらりと並んでいました。
残念ながら信号故障で遅れた影響で、「肥前浜駅」の滞在時間はたったの10分。今度は宿場の町並みをゆっくり散策してみたいですね。
色々おみやげも頂きました。マルシェで購入した日本酒ケーキは後でおやつに。
「肥前浜駅」を過ぎると、車窓には美しい有明海!
海の向こうには雲仙普賢岳の姿。天気も良くて眺めは最高!
金の路、旅のフィナーレ
「諫早駅」に到着。島原半島へ伸びる「島原鉄道」はここで乗り換え。ホームの向こうには885系「かもめ」の姿。
「諫早駅」を発車した頃、マルチカーでは「金の路」の締めくくりとして旅のおさらい。「金のエピソード(カステラ)」「金の手仕事(べっ甲)」「金の祭り(長崎ランタン)」など、「金の路」にちなんだ7つのエピソードが紹介されました。
山の斜面に家がぎっしりと並んだ長崎の町が見えてくると「36ぷらす3」はまもなく終点「長崎駅」です。
「36ぷらす3」金の路は終点「長崎駅」に到着。最終的には約30分の延着となりました。
2022年開業予定の、長崎と武雄温泉を結ぶ「西九州新幹線」の工事が着々と進む「長崎駅」。今日の「36ぷらす3」のルートの一部は、新幹線開業後に非電化される事が決まっており、36ぷらす3の長崎ルートの行方が注目されています。このまま廃止されてしまうのでしょうか?
この後列島は折り返し博多行きに。「36ぷらす3」唯一のディナータイム運行となります。ランチとはまた違った旅や料理が楽しめるので、こちらもぜひ乗車してみたいですね。
途中トラブルもありましたが、その分車内でのんびり時間が過ごせたり客室乗務員さんとお話しできたりと、楽しい旅になりました!
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
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